ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問33】

2007年6月8日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 左右関係の理解が苦手なせいか、四方からの観察も難しい課題になると正解できません。最近の傾向を踏まえ、どんな課題を学習しておけば良いのでしょうか。

 四方からの観察は、位置表象の中でも難しい課題のひとつです。あるものを違う場所から見た時、その見え方をその場に行かないで考える問題です。前後左右が問題になりますが、その中でも特に、自分と反対のところから見たとき、左右関係が逆になるという点の理解が難しいのです。これは、右手左手の学習の際、向き合った人の右手はどちらかという問題の発展と考えることができます。

 昔から良く出される問題ですが、ペーパーでの質問はややパターン化していて、ほとんどの問題が、指定の場所からの見え方を、4枚の絵の中から選び、線結びするという方法がとられてきました。そうした問題は現在でも良く出されていますが、最近の問題には、新しい動きが見られます。

  1. 反対からの見え方を選択肢から選ぶのではなく、これまでは青山学院でしか出されなかった「自分で描き表す」という方法が、他校にも広まってきた。
  2. 具体物だけでなく、つみ木のようなやや抽象的な半具体物を用いる場合が出てきた。
  3. 四方からの観察では前後左右からの見え方が問われるのが基本だが、それに付け加え、つみ木のような素材を使って、上から見た場合や、透き通ったガラスに置いて、それを下から見た場合の見え方が問われるようになってきている。

 観点を変えて物事を見ることができるか、・・・といった大変重要なものの見方を、こうした課題を通して点検しようとしているのだと思います。幼児期の基礎教育の課題としては、大変意味のある課題ですから、今後も形を変えて、毎年どこかの学校で出題されるはずです。左右関係の理解も含め、子どもたちにとっては難しい課題のひとつですが、学ぶ順序を間違えなければ、克服できる課題ですから、次のような手順で学習を進めてください。

  1. まず、左右に特徴のあるものをひとつ机の上に置き、それを見えたとおりに写生する。4つの場所から描いてみて、その見え方の違いを言葉で説明する。
  2. 4つの場所から描いた絵を使い、その絵がどの場所から描いたものかを、その場所に行かないで考える。
  3. 反対から見るとどのように見えるかを考え、絵を描く。(一つのものの場合だけでなく二つ以上のものの場合も描いてみる)
  4. 具体物だけではなく、つみ木のような、「形」が問題になる素材を使った学習も行う。
  5. ペーパーを使っていろいろなタイプの問題を解く。

PAGE TOP