ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問22】

2007年4月13日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 シーソーの問題で、三者関係は何とか理解できるようになったのですが、四者関係や五者関係になると、できたりできなかったりしています。どのように指導したら良いのでしょうか。

 シーソーに関する問題は、三者関係の理解が基本ですが、最近の入試ではほとんどが四者関係のようです。シーソーの場面が一場面増えるだけですが、子どもたちにとってはかなり難しい問題になります。その意味で、シーソー問題は三者と四者の間に大きな壁があるということを承知しておいてください。ただ、四者関係が理解できると五者関係は無理なく解決できるはずです。

 三者から四者のところに壁があるのは、単に場面が1つ増えて関係が複雑になるだけでなく、質問の形式も多様化するからです。1番重いものや1番軽いものを探したり、重い順や軽い順に並べるだけでなく、2番目に重いものや3番目に軽いものだけを探すといった質問も少なくありません。重い順や軽い順がわかればどんな質問も大丈夫だと思えそうですが、実際はそうではありません。3番目に重いものを問われたとき、「1番がこれで、2番がこれだから3番はこれ・・・」となれば何の問題もないのですが、3番目だけを聞かれると、「3番はどれ?3番はどれ?・・・」と、それだけを考え始めてしまい、手続きを踏まえないで答えを見つけようとするため間違いやすくなってしまうのです。

 では四者関係をどのように解いたらいいのでしょうか。もちろんいろいろなやり方がありますので、子ども自身がいま身につけている方法を徹底すれば良いと思いますが、まだ理解できていない子や初めてこの課題に挑戦する子には、次のようにやってみてください。 いろいろな質問が可能ですが、まず4つのもの重い順に並べる方法を身につけてください。
その場合の方法は、まず1番重いものを探すことです。これはほとんどの子が間違いなく探せると思います。問題は2番目を探すことです。四者関係の場合シーソーの場面が3つあることが基本ですが、その場合は、1番重いものの相手が2番目に重く、2番の相手が3番になっているはずです。ですから、手っ取り早いのは「1番重いものを見つけたらその相手が2番目に重いんだよ・・・」といってしまえばそれまでですが、そうした教え込みでは問題は解けても考え方は身につかず、違った方法で出題された時(たとえば4者関係なのに、場面が5つあるような場合)困ってしまいます。ですから、1番重いものの相手が2番ではなく、残ったものの中で1番重いものを探し、それが2番目に重くなり、2番目に重いものがわかれば、残ったものの中で1番重いものが3番目に重くなる・・・という考え方をこそ身につけてほしいと思います。この方法は、4つの具体物を実物のシーソーを使って重い順に並べる作業の際、子供たちが無意識で行っている方法なのです。それを意識化させて、応用力のある見方を身につけなくてはなりません。残った中で1番重いものを探すという方法をとれば、仮に場面が増えても、また釣り合いが入り込んできても、問題なく解けるはずですし、この考え方にたてば、五者関係も解けるはずです。

 ただ、このやり方が難しいのは、「残った中で・・・」という場合、何が残っているのかを、シーソーの場面を見ながら、判断していく点です。「1番重いものが決まったら、それが乗っているシーソーは見なくてもいいよ」といっても、子どもたちの視野から消えるわけではないので、混乱してしまうのです。

 ですから、この判断ができない場合には、もうひとつ別なやり方があります。それは、四者関係に限定してのことですが、まず1番重いものを探します。次に1番軽いものを探します。2番目に重いものと3番目の重いものは必ずどこかで比べているはずですから、そのシーソーを探し、判断するという方法です。しかしこの方法では、次への発展が見込めませんので、やはり前者の方法で解くのが良いのではないかと思います。

PAGE TOP