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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問21】

2007年4月13日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 等分に関するペーパーにおいて、同じ数のものを2等分したり3等分したり4等分したりする場合、1度引いてしまった作業線が、次の課題をやる際に邪魔になって、なかなか正解できません。同じ場面を使って、違った質問がされる場合、どのように工夫したら良いのでしょうか。

 最近の入試問題の1つの傾向として、一場面を使ってさまざまな質問をする場合が増えています。特に数においては、一場面の絵を使って違う数の操作をさせる場合が少なくありません。数の多少を聞いた後、数の増減や一対多対応に関する質問をする場合が良く見られます。今回のご質問は、同じ数を2等分から4等分までさせる問題ですが、暗算できない数の範囲になれば、当然答えを導き出すための作業をしなければなりません。消しゴムを使うことができれば、1問ごとに作業線を消していけばいいのですが、実際の入試では、それができません。1問ごとに作業していけば、ご質問にあるように、1度引いてしまった作業線が次の課題をする際に邪魔になることは当然ありうることで、こうした質問は毎年多くの方から受けています。

 結論を先に言えば、完璧な方法はありません。どのように工夫して解決するかはそれぞれの子どもが理解できるレベルで身につけさせればいいことです。それでも基本的な対処の方法はありますので、それをいくつかお伝えしましょう。
まず、その前提として、1つの方法をあまり徹底しすぎないことが重要です。線を結ぶ方法や、まるで囲む方法、串刺しにしていく方法、1つずつ消していく方法・・・といろいろあります。その中の1つだけを絶対的な方法として教え込んでしまうと、応用がききません。いろいろな解き方があることをまず教え、その中で一番良い方法・一番自信が持てる方法を子ども自らが発見し身につけてしまうことです。1つの方法を固定化してしまうと、たとえば暗算できる時期になっても線結びをしないと安心できないということになり、時間が余計にかかることになってしまいます。

 今回のように、2等分から4等分すべての答えを出さなくてはならない時は、やさしいものは手で隠しながら操作したりする方法を含め、線結びやまるで囲む方法をまず身につけてください。12ぐらいの数であれば、いずれ反射的に答えが出ますので、それまでは繰り返し練習するしか方法はありません。ただし20に近い数になると、何らかの作業が必要でしょう。

 入試が近くなる9月ごろになれば、暗算で答えが出せるものと出せないものとの区別は子ども自身でできるようになります。暗算できない場合の作業は、線結びが一番わかりやすいと思いますが、1問目は線結びしたら2問目はまるでくくる方法で解決する・・・という具合に、作業方法を変えながら、1度引いた作業線が邪魔にならないような工夫が必要だと思います。いずれにしても時間のかかる問題ですから、試行錯誤させながら、解き方そのものを子ども自身が工夫できるようになるまで練習してください。

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