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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問12】

2007年2月23日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 仲間はずれのペーパーをしていて、娘が答えたものと、私が考えた正解と違うことがありました。解答を見ると私の考えたものですが、娘の答えも必ずしも間違いではないようにも思います。そのような場合どうしたら良いでしょうか。

 「仲間はずれ」は、分類課題の中でも昔からある典型的なペーパー問題ですが、このほかにも分類課題はたくさんあります。「仲間集め」は、「仲間はずれ」と裏腹の関係ですが、「観点を変えた分類」や、「二者の異同」などもあります。また、方眼を使った「二重分類」もあります。

 表面的な問題形式は異なりますが、こうした分類課題で求められているものの見方のポイントは、物事の共通点をどう捉えるか・・ということです。ですから、分類課題の前に、ひとつひとつの、ものの属性をしっかりと捉えておかなくてはなりません。その意味で「二者の異同」が分類課題の基本になります。その際、子どもにとっては「差異点」を探すことより「共通点」を探すことのほうが難しいはずです。何を「同じ」と見るかは、幼児の発達に沿って変化し、観点がより細分化していきます。まったくの同一物しか「同じ」と見なかった子どもが、こういう点は違うけど、こういう点は同じ・・・というように、差異点があることを前提にしながらも、「共通性がある」という見方ができていくのです。

 さらに、何を同じとするかによって分類の仕方が変わり、その観点をいろいろと変えられるかどうかが問われます。そして、この「観点を変えた分類」が一番難しい課題となります。ある学校では、生活用品(実物)を提示し、まず仲間集めをし、次にまた同じもの使って別な観点で仲間集めをし、もうこれ以上ないというまで、仲間集めを繰り返します。用途や材質などが分類基準になることが多いのですが、時には、形や大きさなども観点になる場合もあります。ここでも、何を共通点と見るかが問われているのです。

 こうした観点で、「仲間はずれ」の問題を見たとき、必ずしも答えはひとつでない場合が出てくるのです。見方によっては、別な解答が考えられる場合もあるのです。ですから、ご質問のように理由がしっかりしていれば、大人が考えた解答でなくても良いのです。ただし、「なぜ仲間はずれなのか」の理由説明ができなくてはなりません。その時気をつけなくてはならないのは、説明の仕方です。よく子どもたちは、「なぜ仲間はずれなのか」を問うと、仲間はずれとして取り出したものの属性を説明する場合が多いのですが、それでは正解にはなりません。仲間はずれの説明は、残ったものの共通点をしっかりと言語化できなければだめなのです。その上で、仲間はずれとして取り出したものが、それに当てはまらないから・・・という説明ができなくてはなりません。

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