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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問33】

2008年07月18日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

地図上の移動がどうしても苦手なようです。どのような手順で、学習を積み上げればよいのでしょうか。

 地図上の移動の問題は、位置表象に関する問題の中では、一番難しい課題であり入試でも良く出される課題です。さまざまな形で出題されますが、基本は、お話を聞いて地図上を移動する課題です。例えば、次のような問題が実際の入試でも出されています。

(1)左に曲がって、右に曲がってという指示に従い、タヌキさんがゾウさんの所へ行く
(2)花子さんの家から踏み切りを渡ってまっすぐにいき、角を左に曲がると学校があります。そこにブタのカードを載せてください
(3)見開きの大きな地図を見ながらお話を聞き、道に線を引いたり、その中のいろいろな場所に問題の解答を描き込む

こうした問題の初歩的な課題は、1つの交差点での曲がり方の理解です。交差点への入り方には4つの方向からがありますが、右の図のように、(1)は自分と同じ方向なので身を置きやすいし、(2)と(3)は体の向きを横にすることで置き換えられます。問題は、(4)の入り方です。実際の場面では、反対側から入ってきて交差点を曲がる場合ですが、この場合は、左右の方向が自分の見ているところとは逆になります。この地点からの入り方が、間違いなくできるようになれば、半分以上理解できたことになります。

実際の問題を解く場合には、もう一つ大事な視点があります。それは、質問の仕方が2つあるという点です。
(1) お話を全部聞き終わった後、話を思い出しながら動く場合
(2) お話を聞きながら、指示通りにすぐに動く場合

(1)の場合は、話を記憶しなくてはなりません。(2)の場合は記憶する必要はありませんが、交差点での曲がり方を瞬時に判断しないと話はどんどん先に進んでしまいます。交差点での判断でもたつくと、分からなくなってしまいます。どちらの方法が難しいかは一概に言えませんが、少なくとも、どちらで問われても対応できるようにしておかなくてはなりません。

最近では、話の内容理解の中に地図上の移動が出てくるケースも見られます。地図を見せられてお話を聞く場合と、地図を伏せてお話を聞く場合とでは、難易度も異なりますが、地図を見ながらお話を聞ける場合は、目で追いかける方法を身につけておくと便利です。
その際には、交差点での曲がり方を瞬時に判断しなくてはなりませんから、(2)と同じやりかたを、目で追いかける方法で行うということですから、かなりのトレーニングが必要です。このように考えてくると、地図上の移動の課題は、次のようなステップを踏みながら、学習を積み上げていくことが大事です。

(1) 自分の右手・左手や相手の右手・左手がわかるようにする
(2) 交差点での曲がり方を、4つの方向からの入り方について練習する
(3) お話を聞きながらゆっくりミニカーを走らせる
(4) 地図を見ながら、指示通りに人が歩く道を、目で追いかける
(5) 地図を見ないでお話を聞き、聞き終わった後、お話の通りに地図上を移動する

(3)までを基本とし、(4)(5)の課題が入試問題になることを想定し、繰り返し練習してください。

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