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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問22】

2008年04月25日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

かけ算の基礎となる「一対多対応」は、数だけでなく、いろいろな課題の解決にとって重要な内容のようですが、どんな点に注意して学習したら良いですか。

 一対多対応は、将来の掛け算の考え方の基礎であり、同時に割り算の考え方にも関連しています。また、いろいろな数の操作と組み合わされて「複合問題化」されるケースが多く、この単元の学習を終えることによって、数領域の問題はすそ野が一挙に拡がり、いろいろなタイプの過去問に取り組むことができるようになります。

入試では、お客さんに配るものの全体の数を聞いたり、タイヤの数を問う問題がよく出されます。お客さんの人数と一人に配るものの数を変えて、全体でいくつ必要か考える問題や、自転車は一対二対応、三輪車は一対三対応、自動車は一対四対応というように、タイヤという観点で一対二から一対四までの問題が組み立てられます。
また、シーソーを使った「つりあい」や、物と物とをある条件で「交換」する問題などにも、この一対多対応の考え方を応用すれば簡単に解決できます。その意味で、入試問題の中心と言っても過言ではありません。では、どのように考え方を身につけたら良いか、大事な最初の学習方法をお伝えします。まず基本となる入試問題を見てみましょう。

(1) 三輪車4台、自転車5台、自動車3台のタイヤの数はいくつか、それぞれ丸を描く
(2) 4人のお客さんに、2個ずつ豆を配るには、全部でいくつあればよいか、丸を描く
(3) 3本の串に3個ずつお団子をさすには、お団子はいくつあればよいか、丸を描く

小学校二年生で学習する掛算の問題そのものですが、九九を暗唱しているわけではありませんので、全体の数を暗算で出す必要はありません。たとえば(2)の問題の場合、最初から8個という数がわかってからを8個描く必要はありません。「ひとり分」と声を出し、まずを2個描きます。次に「二人分」とまた丸を2個書き・・・それを4人分まで続け、その結果「8個であった」ことが解ればよいのです。そこを勘違いしてしまい、全体の数が解ってからを書かなくてはならないと考えてしまうと、これはもう小学校2年生の問題になってしまいます。掛け算は(一当たり量)×(いくつ分)で表せます。ですから、一当たりがいくつで、それを何回繰り返せば良いかを判断するところが大切です。(3)の場合は、一本当たり3個を3回繰り返せば良いと判断できることが大事で、答えの9はその結果わかればよいのです。保護者の方の中には、全体の数をまず暗算してから・・・・と考える方がいらっしゃいますが、それは間違いです。答えを導き出す手続きをしっかり身につけることが、こうした問題を解くポイントです。そして、繰り返し練習していくうちに、答えが12ぐらいの数までなら、暗算でできるようになるはずです。

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