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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問12】

2008年02月01日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

「動きを表す言葉」の学習はどのように行えばよいのでしょうか。家庭でできる練習法を、具体的に教えてください。

 幼児期の言語学習は、「聞く力」と「話す力」の育成が中心となりますが、もうひとつ大事な「言葉の学習」があります。母国語である日本語は、成長に応じて身についていきますが、国語学習の土台として、豊かな言語を身につけることも大事です。将来の文法との兼ね合いで考えれば、品詞で考えることがわかりやすくて良いと思います。名詞を中心とした学習には、「一音一文字」「同頭音」「同尾音」「しりとり」などの課題があります。動きを表す言葉は「動詞」ということになりますが、そのほかに様子を表す言葉として「形容詞」「副詞」などもあり、場合によっては「助詞」の理解も深めておくと良いでしょう。

動きを表す言葉の学習が大事なのは、将来の作文教育を考えた場合、動詞をたくさん身につけ、それを使えるということが表現力を高めるひとつのポイントになるからです。名詞をどれだけたくさん身につけていても、豊かな表現力にはつながりませんが、動詞や形容詞・副詞などがしっかり身についていると、表現力が高まります。

動詞の学習の基本は、自分の体を介するということです。当然なことですが、自分で経験しない動きの表現を、いくら図鑑を見て叩き込んでも、使えるはずはありません。その意味で日々の生活経験を「動きを表す言葉」という側面から時々整理するのが良いでしょう。実際私たちの教室では、私が子どもたちの前でいろいろな行為をし、「今先生が何をしたか言ってください」とその場で話させます。その上で今度は絵カードを使って、「~が~しています」という短文づくりを練習します。このように動詞の理解は、短文づくりの形式で練習するのが一番良いと思います。

また別な練習の仕方として次のような方法を採用しています。動詞をひとつ子どもに与え、その動詞を使って「~が~しています」というお話をつくらせるのです。たとえば「切る」という動詞を与えて、主語になる部分をいろいろ変え、短文をつくらせます。この短文づくりが「お話づくり」に発展していき、それが将来の「作文」につながっていくのです。「書く力」の育成は小学校に入学してからの課題になりますが、その前提として、「話す力」の育成が幼児期には一番大事な課題になります。作文教育の基礎として、自分の体を介在させた「動きを表す言葉」の獲得に力を注いでください。

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