週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」【質問5】
2007年12月07日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。しりとりに関する問題が毎年出されているようですが、どのような学習をしておけば良いのでしょうか。
言語領域の出題は、「話の内容理解」と「お話づくり」が中心ですが、日本語の理解に伴う言葉の学習の中で、入試問題としてよく出されるのは「しりとり」です。しりとりは、前の言葉の最後の音を次の言葉のはじめに持ってくる遊びで、幼稚園や保育園で日常的に行われています。ですから、次から次へと後ろに言葉をつないでいく課題であれば、何の問題もなく解決していける問題です。しかし、入試で出される問題はそんなに単純な問題ではありません。次へのつながりを考えて空欄を埋めたり、最後までつながるように、選択肢の中から言葉を選んだり、最初も最後も指定がなく、なおかつ余分な言葉も入っているものを、できるだけ長くつなげたり・・・とさまざまです。後ろにつなげていけばいい言葉遊びなのに、前に戻ってつなげなくてはならない場合も出てきます。後ろにつなげていく言葉遊びの次元を超えて、しりとりのルールの理解が問題の中心に据わった時、この「しりとり」の課題は、とても難しいものに変化します。私たちがこれまで指導してきた問題の中で、子どもたちにとって難しいのは、次のような問題です。
4つのグループがあり、最初も最後も指定がなく、なおかつ、つながらない言葉が入っている。その上で「しりとりをしたとき、一番長くつながるのはどれですか」
後ろにつなげる言葉遊びから、こうした難しい問題まで理解できるようになるためには、しっかりとした順序を踏まえた学習が必要です。その学習方法をお伝えしましょう。
- 12枚のしりとりカードを使って「しりとり」になるようつなげる。この場合、最初の言葉を指示して行う場合・最後の言葉を指示して行う場合・最初も最後も指示しないで行う場合といろいろな条件で行う
- つながらないカードを2枚ほど加え、1.と同じ手順で練習する
- すべてがつながる10枚のしりとリカードを使い、最後の言葉から最初の言葉まで逆戻りにつなげる
- 同じ音で始まるが、それを使うと全部がつながらないカードを2~3枚混ぜて、3.と同じ手順で練習する
- カードでの練習が終わったら、ペーパーでトレーニングする。その際次のような順序で学習する
- 最初が指定してあり、全部つながる
- 最初が指定してあるが、全部はつながらない
- 後ろへのつながりを考えて空欄に入る言葉を捜す
- 後ろへのつながりを考えて、3つの選択肢の中から言葉を捜す
- 最後が指定してあり、全部つながる
- 最後が指定してあるが、全部はつながらない
- 最初も最後も指定しないが全部つながる
- 最初も最後も指定しなく、その上つながらないものが入っている
- グループがいくつかあり、その中で一番長くしりとりでつながるグループを探す。その場合も、最初の言葉の指定がある場合と、ない場合とで練習する