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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(32)

「地図上の移動」は、内容も質問も多様化している分、子どもにとっては難しい

2009年7月10日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問32】
 位置表象の問題の中で、「地図上の移動」の問題に苦手意識を持っています。どんな形で入試に出されるのか。どんな点が子どもにとって難しいのか、アドバイスをお願いします。

 位置表象の課題の中で「地図上の移動」は難しい応用問題のひとつです。見ている自分と動いているものとの関係で視点を動いているものに置き、左右関係を判断しなくてはならず、そのことが問題を難しくしている大きな原因です。地図上の移動の問題は大きく2つに分けられます。

1. 一本道を移動する場合、右に何回曲がったか、左に何回曲がったかが問われる
2. 交差点がたくさんある道を指示通りに動く

1の場合は、交差点での曲がり方ではなく、角を曲がる際、右に曲ったのか左に曲ったのかの判断をすればよいのですが、子どもたちにとっては、結構難しい問題のようです。また、どこから出発して、どちらに向かっているかを常に意識しなくてはならず、設問においても「歩いていて右に見えるもの、左に見えるもの」を判別する問題も出ています。2の場合は一般的な「地図上の移動」ですが、設問の仕方に2通りあります。

1. お話を聞きながら、どんどん進んでいってよいもの
2. お話を最後まで聞きとってから、移動するもの

1の場合は進み方を記憶する必要はありませんが、交差点での曲がり方を瞬時に判断しなくてはならず、迷っているとお話についていけなくなってしまいます。2の場合は、何回か交差点を曲がる話を記憶しなくてはならず、その意味で「記憶」の要素が前面に出てきますが、話を聞きながら目で追いかけることができるため、目的地の方向から逆に考えれば、交差点での曲がり方に迷いが生じてもある程度修正することはできます。ですから、どちらが難しいかは一概に言えません。両方の解き方に慣れておかなくてはなりません。最近の問題は、「話の内容理解」の中に地図上の移動の問題が組み込まれているケースが増え、より難問化していますが、こうした「話の内容理解」の場合、曲がるところには何か必ず目印になるもの、たとえばお店とか公園とかポストとか・・・そうしたものに注意して聞く練習が必要です。

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