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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(27)

10の構成は、暗算トレーニングには最適です

2009年6月5日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問27】
 数の構成については、5の構成から始めてサイコロを使った7の構成などいろいろ学習してきましたが、今回の10の構成になると、どうしても指を使って考えてしまい、その結果回答するまで時間がかかります。どのように練習したら良いのか、指は使ってはいけないのか、教えてください。

 数の構成問題は、将来のたし算・ひき算の基礎としてどの学校でも重視しています。こぐま会でもステップ1で集合数の理解を促す意味で「5の構成」を扱い、その後サイコロを使った「7の構成」など練習してきました。その際一番気をつけたことは、「暗算」で答えを出すことです。暗算はたんに計算スピードを高めるだけでなく、「数の内面化」として頭の中で数を操作する基本であり、将来の算数教育の基礎として重要です。
10の構成が入試でよく出される背景には、数の十進構造という側面がありますが、それ以上に学校側は計算スピードや正確さのことを考え、小学1年生の後半で学ぶ「繰り上がり・繰り下がり」のことを考えているはずです。つまり、10の構成がどれだけ暗算でできているかが計算スピードを決める要素であることを把握しており、それが出題の背景にあるのではないかと思います。

5~10までの数の構成については、学び方の基本は同じです。ここでは10の構成について考えてみましょう。
(1)まず最初は具体物を使い、10個のものの分け方がどのようにできるかを考えさせる
(2)次に、10個のうちのある数だけ隠し、いくつ隠したかを考えさせる。その際見せる数については、最初はたくさん見せ、次第に少ない数を見せるようにする
(3)イチゴが10個あることを頭に描かせ、そのうちのいくつかを食べたら「残りはいくつになるか」を答えさせる。「2」と言ったら「8」と答えるような練習を口頭で行う
(4)(3)と同じようなやり方で、今度は3人で食べる場面を設定する。2人が食べる数を伝え、3人目がいくつ食べられるかを暗算させる。例えば「2」「4」と言ったら残りの「4」を言わせる
こうした練習の繰り返しで必ず理解していくはずです。指を使った指導ではせっかくの学習のチャンスが将来の学習の基礎づくりに役立ちませんし、正確さやスピード性で劣ります。慣れるまでに相当の苦労がありますが、その苦労は受験だけでなく、将来の学習の基礎として必ず活かされるはずです。ぜひ暗算練習に力を注いでください。

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