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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(26)

四方からの観察は、質問の仕方によって難易度が変わる

2009年5月29日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問26】
 四方からの観察は、かなり練習して基本はわかったようですが、同じ問題でも質問の仕方によって間違えるケースがあります。どんな質問の形式があるのか、また、どこが間違いやすいのか具体的に教えてください。

 「四方からの観察」は、あるものを違う場所から見た時の見え方を、その場に行かずに判断する問題です。前後と左右の4方向が問題になりますので「前後 - 左右関係の理解」とも呼んでいます。この問題を解く基本は、向き合った人の右手左手が自分とは逆になるという理解です。反対側から見た時の右・左が自分とは逆になるという認識がこの四方からの観察問題を解くポイントです。入試でもよく出される問題ですが、もうひとつこの問題の大事さは「違った視点で物事を考えられるかどうか」という、幼児期に育てておかなくてはならないものの見方が典型的に問われている問題でもあるということです。

設問の仕方がいろいろ工夫され、それが難易度を決める要素になっています。

(1) 4つの場所からの見え方を線で結ぶ
(2) どこにも当てはまらない、余分なものを選択肢の中に入れ、6つのものの中から正しいものを探す
(3) 4つの場所の見え方すべてを聞くのではなく、一番難しいとされる場所からの見え方だけを聞く
(4) 反対からの見え方を、自分で描いてみる

4つの場所からの見え方を線結びする問題が基本ですが、(2)~(4)のような設問も実際の試験で出されています。その意味で、(1)の問題だけできてもいけません。どんな質問形式にも答えられるようになるには本当に理解していなくてはならないのです。そのためには、(3)、(4)の方法を必ず練習してください。また(2)のように、4つの場所からの見え方をどこかに必ず当てはまる4つの選択肢の中から選ぶのではなく、余分なものが入った6つぐらいの中から選ぶような問題にも挑戦してください。最近の入試は問題を難しくするひとつの方法として、余分なものを入れて問いかける方法をあらゆる領域の問題でとっています。この四方からの観察においては、選択肢を増やすという方法で本当に解っているかどうかをチェックしています。入試における位置表象の問題の中では、地図上の移動と並んで左右関係の絡む難しい問題ですので、学習の順序を間違えないよう、しっかり練習してください。

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