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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(25)

生活感覚で解ける問題と、論理的に解かなくてはならない問題がある

2009年5月22日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問25】
 残っている水の量から飲んだ水の量を推理する逆思考の問題の場合、1番多く飲んだものや1番少なく飲んだものはすぐにわかっても、4番目に多く飲んだものを探すような問題の場合、よく間違えます。どうしてなのでしょうか?また、どんな練習をすればよいのでしょうか?

 残っている水の量を見て飲んだ水の量を系列化する問題は、「逆対応」の問題として指導しています。この逆対応の問題には、そのほかに、ローソクの問題や砂糖水の濃さの問題、ビンからコップへのジュースの移し替えの問題等いろいろあります。「逆対応」としているのは「順対応」の問題があるからです。たとえば次のような問題が「順対応」の問題です。

長さの違う7本の棒と、大きさの違う7枚の旗地を使って旗を作る。その際、1番長い棒には1番大きな旗を、2番目に長い棒には、2番目に大きな旗を・・・というように、量の多いものから順に対応づけ、旗をつくる。

こうした順対応の問題は、量の多いものから順に対応させる問題で、生活感覚でわかりやすいものです。逆対応の問題はそれとは違います。少し分析してみましょう。残っている量から飲んだ量を推理する場合、1番多く飲んだものや1番少なく飲んだものは、生活感覚でわかりやすい質問です。なぜか。それは、たくさん飲めば残りは少なくなるし、少ししか飲まなければ、残りは多くなるということはすぐにわかるからです。しかし、コップが5つあるような場合、「4番目にたくさん飲んだ」ものを探すのは、生活感覚では解けません。どういう関係にあるかを踏まえ、論理的に解かなくてはなりません。間違いの多くは、残っている水の中から4番目にたくさん残っているものを答えとしてしまいます。少ないほうから順に数えていかなくてはならないのに、目に見えている水の量に目がうばわれ、残りが多いものから数えてしまうのです。飲めば飲むほど残りは少なくなるわけですから、4番目に多く飲んだものを探す場合、少ないものから1番目・2番目・・・と数えなくてはならないのに、逆をやってしまうのです。 目に見えているものから目に見えない物の関係を考えるという点が難しいのでしょう。

1番多く飲んだものや、1番少なく飲んだものを探すような生活感覚で解ける問題と、4番目に多く飲んだものを探すように、論理で解かなくてはならない問題とがあることをしっかり踏まえ、どのような関係にあるかを常に把握しながら学習することによって、解き方をしっかり身につけるようにしてください。

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