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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(12)

お話づくりは、苦手意識を持つ子が大勢います

2009年2月6日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問12】
 お話づくりが苦手のようです。どのような対策をとったらよいでしょうか。

 お話づくりは「話す力」を問う代表的な問題で、個別テストの形式で行うケースがほとんどです。ですから、ペーパー中心のテストを行う学校では直接「お話づくり」が出題されるわけではありません。しかし、「表現・発表力」を見る問題は行動観察等の中でも出されますので、「お話づくり」的なトレーニングは必要です。

実際の入試ではどのような形で出題されるのか。過去の問題を見ると、同じ「お話づくり」でも学校によって出題形式はまちまちです。具体物を使う学校、絵カードを使う学校、言葉だけ与えられてお話をつくる学校、録音された音を聞いてお話をつくる学校・・・その中でも一番多いのは絵カードを使ってお話をつくるケースです。

絵カードの場合、4枚の絵カードを時間的経過に沿って並べ、それを使ってお話をつくるというケースが基本ですが、最近では4枚が3枚になり、3枚が2枚になり・・・・というように使う絵の枚数が少なくなり、時には1枚の絵を使ってお話づくりをするという問題も出始めています。子どもの立場に立つと、絵の枚数は多い方がお話をつくりやすいようです。1枚だけの絵を使ったお話づくりは、どちらかというと絵の説明になりがちで、ひとつのまとまったお話にはなりにくいようです。また、最近では、顔の表情の変化を読み取ってお話をつくるというような問題も出始めています。4枚の絵カードを時間的順序に並べ、それに沿ってお話をつくるという基本が崩れ始めていますので、要注意です。

このお話づくりは、表現・発表力のひとつとして、個人の性格的な側面に起因し出来 - 不出来が決まる場合もありますので、単純なトレーニングだけですべて片付くわけではありません。しかし、そうした子にこそ話すことに自信をつける意味で4枚の絵カードを使ったお話づくりのように、問題がやさしい段階から積極的に取り組ませ、自信をつけてあげることが大切です。苦手意識を持ってしまうと受験直前まで引きずる課題になりがちですので注意してください。発表力をつける意味で詩の暗唱などもおすすめします。

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