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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(5)

しりとりのルールが論理的に問われると、問題が難問化する

2008年12月5日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。


【質問5】
 しりとり遊びやカードを使ったしりとり並べは何の問題もなくできるのに、ペーパー問題になるとできない場合が目立ちます。なぜカードなどでできるのに、ぺーパーになると点が取れないのでしょうか。

 しりとりは、普段幼稚園や保育園で言葉遊びとして行われているもので、口頭で行うのが一般的です。個人の学習課題として行う場合は、しりとりカードを使って行うのが最適です。カードを使って行う場合には

(1) 最初になるカードを指定して行う
(2) 最後になるカードを指定して行う
(3) 最初も最後も指定しないで行う
(4) 最初も最後も指定せず、かつ使わないカードも混ぜて行う
(5) 最後になるカードから、逆に戻って並べる

のように、いろいろな方法で練習できます。口頭での言葉遊びやカードを使ったしりとりを前提に、最後はペーパーでさまざまな問題に取り組む必要がありますが、このペーパー問題になると、さまざまな観点で問題が作成されており、口頭やカードでできたからといって簡単にできるものばかりではありません。どこが難しいのか。それは一口に言えば、「しりとりのルールの理解が問題の正面にすえられ、それを論理的に理解し、解決できるかどうか」ということです。どんな問題でつまずくのか列挙してみましょう。

(1) 最後の言葉だけが指定され、「逆しりとり」をしなくてはいけない場合
(2) 空欄を埋める場合、2つ以上空欄が続き、かつ同じ音ではじまる言葉が選択肢の中に複数存在する場合
(3) 最初も最後も指定がなく、かつ使わない余分な言葉が入っている場合
(4) 枝分かれしていく問題の場合、複数進んで行き止まりになるつながり方がある場合
(5) 4つのグループがあり、最初も最後も指定がなく、かつ余分な言葉が入っていて、「どのグループがしりとりで一番長くつながりますか」などの質問がなされる場合

しりとりはうしろへつなげる簡単な言葉遊びですが、「前の言葉の最後の音を、次の言葉のはじめに持ってくる」というルール自体が正確に理解されていないと、解けないペーパー問題が多いのです。難しくしている一番の原因は、「逆しりとり」つまり「あたまとり」の理解です。それが十分にできれば解決可能な問題が多いはずです。もうひとつ難しくしているのは、使わない言葉が入っている問題の場合です。子どものつまずきの原因をしっかり把握し、それを解決する練習をカード教材で行ってください。

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