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週刊こぐま通信
「プリムローズだより」

秘密の箱

第12号 2018年12月4日(火)
プリムローズクラス担当
 11月のプリムローズもあっという間に最終週となりました。ぐっと冷え込んできた朝も元気に入室してくる子どもたち。心穏やかに一日を始められるその背景には、体調を整えて優しく送り出してくださるご家族の温かさをいつも感じています。

朝のご挨拶、歌、名前や好きな色の発表など一通り朝の活動を終えた後、大人も子どもも思わず手を入れてみたいような秘密の箱の紹介をしました。「早く手を入れてみたいな」とムズムズしながら手を膝にしてお約束を聞いている様子に、興味が膨らんでいるのを感じます。
今日この箱を用意したのは先週、先々週と物の大きさの違いや仲間集めを粘土遊びやお店屋さんごっこを通して行ってきたその先に、目に見えるものだけではわからない物の特徴を感じ取ってほしいと思ったからです。

まず一つ目の小さな箱にはドールハウスで使っているお人形を1個入れました。いよいよ箱の中に手を入れてみると、「長い所があるからゾウのお人形じゃない?」「でもしっぽがふわふわしてる」と子どもたち。箱から出してみると、実はみんながかわいがっているウサギのお人形でした。意外なものにびっくりしているとすぐに「もう1回、もう1回」と声が聞こえてきました。

次は中くらいの箱を2カ所に置いて、感触の違う丸いものを入れました。ゴルフボール、吸盤が付いているボール、柔らかいボール、たわしなどその中から1つ取り出して触った感じを聞いてみます。そしてもう一つの箱から同じものを探してきてもらいました。この作業も視覚ではすぐに見分けがつきますが、箱の中に入っていると手の感覚を頼りに探すしかなく、一つ目の箱の感触を思い出しながらその一点に集中している表情が印象的でした。

最後に一番大きな箱にはゴーヤ、玉ねぎ、人参、ナスなど感触に特徴のある野菜を一つずつ入れて、順番に触っていきながら感想を聞いていきます。答えがトウモロコシに決まった中身を実際に見てみると実はゴーヤでした。「触ったときは絶対トウモロコシだと思った」「色が違うから見たら分かったのに」とこれには全員で納得。

秘密の箱で使った野菜は半分に切って断面がどうなっているか、どんな匂いがするのかそれぞれの特徴を感じてから画用紙に野菜のスタンプをしました。作業の途中にも、オクラがネバネバしてきて種が出てきたりピーマンがお花みたいで一番かわいいとまた新しい発見がありました。
今日の子どもたちは箱に手を入れて自分の経験を思い起こしながら想像を膨らませていました。見えないところから考えていくことは、これから先に例えば作りたいお城のブロックはどれくらいいるかしらと考える行為にも繋がると思っています。そしてこの見えない物こそ伝えていくことが難しく、今回のような秘密の箱はその感覚を養う大切な一歩であると考えています。


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