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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

学習の習慣を持続してください

第85号 2006/12/15(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 受験を終えた卒業生が、結果報告のために、大勢来校しています。久しぶりに会う子どもたちは、試験前の教室での様子とは相当違い、「こんなに明るく元気だったの?」と思わず聞いてしまうほどの変わりようです。見方を変えれば、試験前のプレッシャーがどれほど重く子どもたちにのしかかっていたことか、そう感じざるを得ません。毎日机に向かう生活では、本来の子どもらしさを発揮する機会さえなかったのかも知れません。合格をいただいて、自分の行く学校が決まり、厳しい勉強から開放された安堵感と、それ以上にお母さんの対応が変わってきたということなどが、気持ちの上でゆとりを生み、ありのままの、子どもらしい振る舞いができているのかもしれません。

 いろいろ話をしていくうちに、忙しい受験勉強の日々から開放されたせいか、手持ち無沙汰で、「もう一度お勉強したい」という子どもさえ現れています。中には、遣り残したペーパーを今も毎日一人で取り出しやっている子どももいるようです。受験指導をしていく中で絶対に「勉強嫌いな子を作ってはだめだ」と職員に言い聞かせてきましたが、入試が終わっても、学習することの楽しさを持続できている子どもたちを見て、私たちの方針が間違っていなかったことを再確認しました。

 受験で合格をいただいても、その過酷な受験勉強ゆえに、小学校に入ってから勉強することを嫌う子が少なからずいるようです。間違った受験対策の結果ですが、大事な幼児期の学習が勉強嫌いな子を生み出しているとしたら、何のための受験だったのでしょうか。そうした子どもを生み出していく原因は、指導法の間違いだけでなく、教師と子どもの人間関係のあり方に問題があったのです。

 振り返ってみれば、入試対策として受験生は相当の学習を積んできました。算数と国語の基礎となるものを中心に、知識も、思考法も相当学んできました。数に関しては3年生までの学習内容について、基礎的な考え方はすでに学んでいるはずです。受験が終わったとたんに、すべての学習を中断してしまうのは、実にもったいないことだと思います。せっかく身につけた学習習慣を持続させ、自信を持って4月入学を迎えてください。

 こぐま会では、学習を持続させるために、12月5日から、「就学準備クラス」「はじめての英語クラス」を開講し、4月入学に備えています。また、「ひとりでとっくん365日」の延長版として「ひとりでとっくん365日就学準備編」を引き続き発行し、入試を終えた子どもたちの学習問題集として提供しています。「幼小一貫教育」が、今後日本でも話題になってくると思いますが、知的な学習を敬遠する日本の幼児教育の現状の中で、「幼小一貫教育」を実現するには、「お受験」は、またとないチャンスです。そのチャンスを生かす意味でも、学習方法を間違わないようにしていただきたいのです。

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