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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

「今私たちにできること (3)」

第719号 2020年5月8日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 緊急事態宣言が5月31日まで延長されたことに伴い、こぐま会も休校措置を継続いたします。今月中旬・下旬に宣言の解除に向けた検証があるようですが、おそらく5月31日までは教室での授業再開は難しい情勢になっています。4月を凌げばまた明るい声が教室にも戻ってくると信じ、この1カ月に予定していた6回の授業をオンライン授業に切り替えてやってきました。5月に再開後、例年と同じ日程で受験指導ができると考えてきましたが、あと1カ月それを続けることになり、子どもたちにもやや疲れが見え始めているようです。私たちにとってもはじめての試みであるため、連日夜遅くまでの準備に疲れていないといえば嘘になります。しかし、子どもたちの学習の継続を持続させなければならず、最後までがんばりぬくしかありません。単にペーパーだけをやるのなら、こんな簡単なことはありませんが、子どもたちの「考える力」を育てるためには、働きかける対象としての物や人が目の前になくてはなりません。そのため授業動画を配信する前に、授業で使う具体物教材・カード教材を作ってご家庭にお届けする必要があり、この準備が一番大変です。5月分の会員クラス授業動画撮影は無事終わり、あとは学習しやすいように編集作業をしなければなりません。一方、5月からの再開を予定していた学校別対策クラスの方も、会員クラスと同様、オンライン授業形式で何とか再開しようと思います。こちらもたくさんの具体物教材・カード教材を使いますので、その準備が大変です。物流事情に合わせて具体物教材を作らざるを得ず、どうしても紙を使った具体物やボード教材にならざるを得ません。それが子どもたちの興味関心をどれだけ引き、学習の動機付けになっていくかどうかを心配しています。

先日、しばらくの間会えないでいる子どもたちとの距離感を縮める意味で、3人ずつのグループをつくり、WEB上での「おしゃべりの会」を実験的に行ってみました。ネット環境がそれぞれ違うために、私を含めて4人がつながるのに少し時間がかかりましたが、30分ほどみんなでいろいろ話をしました。横に保護者の方がいらっしゃるという状況ですから、子どもたちもはじめは少し緊張気味でしたが、こちらからいろいろ質問し、それに応えてもらう過程で、次第に普段の教室での笑顔が見られるようになり、私も一安心しました。その中で、子どもたちにオンライン授業についての感想を聞きましたが、みな楽しく取り組んでくれているようで、これを当分続けても大丈夫だという確信を持ちました。ただ、一方で「今どんなことをしたいですか」とそれぞれに聞いたところ、やはりお友だちに会えない、外で遊べないことに対する不満が相当たまっているようでした。このおしゃべり会の前に、前もって「母の日が近いからお母さんの絵を描いておいてね」と頼んでおいたところ、みんな楽しいお母さんの絵を描いて見せてくれました。普段は12人程で集団学習をしていますので、いつものようにはいきませんが、3人だけでも顔を見て話し、先生やお友だちと会話できたことは、人とのつながりを意識させるには意味があったと思い、これを全員の子どもたちに実施したいと思います。少し疲れ気味の子どもたちに、新鮮な空気を送り届けられたらと思います。

また、こぐま会では例年この時期に「女子校合格フェア」「共学&男子校合格フェア」を行い、受験情報をさまざまな角度からお伝えしてきましたが、それが今年はできません。学校の説明会もすべて中止になり、学校情報を得ることが難しく、特に併願校の検討ができない・・・という不安を持つご家庭が増えています。そこで、昨年と同じようなテーマで担当教師がお話をさせていただく映像を撮り、それを配信する準備をしています。昨年の映像もありますので、今年も役立つ情報であれば併せて配信するつもりです。いくつかの学校から、学校説明会に代わる何かを塾を通して行いたいというご提案をいただいていますし、例年教室までお越しいただいてお話を頂戴していた学校とは、形を変えて皆さまの要望に応えられるよう話し合いを進めています。

当面、子どもの心のケアもしながら、教室再開の時を待つしかありません。また、子どもに対する指導だけでなく、受験に向けた保護者の皆さまの不安を解消し、ご要望に応えられるよう、入試関連の情報提供を続けていくつもりです。特に今年は面接試験が重視されるはずです。そのための願書面接対策についての映像配信もしっかり行っていくつもりです。

子どもの学習については、これまでやってきたことと、これから学ぶことを明確に提示するために、学力を点検する材料を緊急に作成しました。また、過去問への取り組みを加速するために、この連休期間を使って緊急に以下の4冊の問題集を作り、順次ご家庭にお届けする予定です。
1.「基礎学力総点検120枚ペーパー」
ステップ1からステップ4までの基本理解のチェックをしてください
2.「「ひとりでとっくん365日」抜粋 教育レシピ問題集」
一昨年発売した「ひとりでとっくん365日教育レシピ」で取り上げた重要課題92問。こちらも基礎学力点検用に使ってください
3.「入試問題を使った 領域別 基礎学力総点検70問」
過去問への取り組みを始めてもらいます。領域ごとに典型的な問題を取り上げています
4.「考える力を求める入試問題」
昨年度の入試問題の中から重要な問題をピックアップし、こうした問題を自分の力で解くことをめざします。また、保護者の皆さまには問題の傾向を知っていただきます
この他にも「まいあさトレーニング」などを学校別対策クラス受講生にお送りしましたが、上記4冊のうち、2, 3, 4 の問題集は、こぐま会の教材を使ってご家庭で学習している皆さまにもお使いいただけるよう、「SHOPこぐま」「こぐま会ネットショップ」で、特別購入できるようにいたします。ただ、最近こぐま会の問題集をコピーし無断で使う塾が増えていますので、著作権の侵害を防ぐため、使用するお子さまのお名前をお聞きする場合があるかと思います。その点をどうかご了解いただき、個人でのみ使うという前提でご購入ください。

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