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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

「お父さんのための勉強会 土曜ゼミ」

第705号 2020年1月17日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 受験対策を「子どもの学習だけしっかりやればいい」と考えているようでしたら、それは誤りです。こぐま会ではお子さまを対象とした授業だけでなく、保護者さま向けの講座も充実させてきました。受験で合格を勝ち取るためには、家族一丸となって取り組む姿勢が大事です。子どもだけでなく大人もしっかり勉強し、成長しなければ駄目だということです。何を学ぶのか、それには大事な2つの課題があります。
  1. 正確な受験情報を身につける
  2. 家庭における子どもへの正しい指導法を身につける
そのために、保護者さま向けのセミナーや勉強会等を実施してきました。お母さま対象の勉強会は年6回、お父さま向けの勉強会は年5回実施しています。お母さまゼミでは、ステップの学習が始まる前に、具体的な家庭用教具・教材を使って、お子さまへの発問の仕方などどのように指導すればよいかを具体的にお伝えしています。またお父さまゼミでは、その時期に合わせて必要な入試情報をお伝えし、また父親としての役割について、受験を経験されたOBの方にお話ししていただき、そこからいろいろなことを学んでいただく機会をつくっています。

子どもにペーパーだけをやらせるような受験対策では合格できない時代だからこそ、「子育ての総決算として受験を考えてください」といったメッセージが学校側から送られているのです。保護者の方もしっかり勉強して、受験対策を正しい幼児期の基礎教育として取り組む必要があります。塾任せの受験対策ではなく、主体的な子育ての一貫として、塾の集団学習を学びの場として利用するというような考え方に立って学習をコントロールしないと、間違った情報や噂話に振り回され、ゆとりを持った取り組みができなくなってしまうでしょう。それぞれのご家庭が明確な方針をもって受験に取り組まないといけないと思います。

1月11日(土)に開催した、38期生第1回目の「お父さまのための土曜ゼミ」には大勢のお父さま方にご参加いただき、私の話とOBお2人の方の経験談をお聞きいただきました。私の方は、昨年行われた2020年度の私立・国立小学校の入試情報をさまざまな角度からお伝えし、どちらかというと入試情報に接することの少ないお父さま方にもしっかりとした入試情報をお持ちいただき、お母さまと同じ土俵でお子さまの将来について話し合っていただきたいと思っています。お母さまとお父さまとで持っている情報量が違ったのでは、話し合いにずれが生じます。そうならないようにしたいと考え、最新の入試情報を提供しています。今回参加された40名ほどのお父さま方は、わたしたちが予想した通り自ら積極的にというよりも、お母さまからチケットを渡されしぶしぶ参加された方が大勢見られました。入試対策のほとんどを母親に任せっきりになっているご家庭が多い証拠です。しかし、懇親会での自己紹介では、今回のお話を聞いて「参加してよかった」と多くのお父さま方がお話しされていました。特にOBの方のお話は強く心に刺さったようで、「明日から心を入れ替えて子どものために頑張ります」という決意表明も聞かれました。お母さまとお子さまが厳しい関係の中で勉強している様子を見ていて、自分には何ができるのだろうかと悩まれていたお父さまにとっては、先輩のお話はとても参考になる良い経験談だったのではないでしょうか。しかし、同じようにはできないわけですから、それぞれのご家庭に合った受験対策をとればよいと思います。一つだけ言えることは、母親だけの受験対策では母親も子どもも疲れ切ってしまい、父親の参加がどうしても必要だということです。特に母親がゆとりをなくし、間違った受験対策にはまる暴走をどこかで食い止めなくてはなりません。他者と比較し競争心に火が付くと、この時点で勝負ありです。母親がゆとりをなくしたらどこに暴走していくか・・・これまでたくさんの例を見てきましたが、そのほとんどが合格できていません。そうした事実を見てくると、父親の受験参加は大きな効果をもたらすのです。

お母さまからチケットを渡され、しぶしぶ参加されたお父さま方が、我が事のように受験を前向きに受け止めていただけたら、このご家庭には必ず朗報がもたらされるはずです。願書・面接対策もこれからの課題として重要です。それをご両親お2人で取り組めば、そのご家庭の雰囲気は必ずや文章の行間に表れてくるはずです。学校側が求める好ましい家庭像は、まさしく共同作業としての「子育て」がうまくいっているかどうかです。それが子どもに体現され、行動観察で評価されるのです。子どもだけ毎日たくさんのペーパー学習をすれば合格できると考えていらっしゃる皆さま。ぜひ家族一丸となった入試対策に取り組んでください。そのためには、母親も父親も勉強する場を確保し、その上で「父親の積極的な協力」が不可欠です。

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