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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

「ひとりでとっくん365日」で学習している皆さまへ

第676号 2019年5月31日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 こぐま会で発行している問題集の中で毎年一番多く売れるのは、「ひとりでとっくん」シリーズです。現場での指導を通して作ったもので、100冊完成までに20年間を費やしました。現在年間延べ23万部の売り上げがあり、幼児期の基礎教育の学習素材として大勢の皆さまに支持されているものです。

1987年7月に、ひとりでとっくんシリーズの最初の5冊を出版しました。最初は教室に通う子どもたちのための家庭用教材として受付で販売していましたが、書店からの要請もあり、1994年4月から書店での販売を開始しました。毎年何冊か作成してきましたが、学習する順序のとおりに100冊を作ったわけではないので、100冊が完成した後、多くの皆さまから「何番から学習を開始すればよいですか」という質問が多く寄せられました。そこで、そうした皆さまのご要望にお応えするために学習する順序に従って編集し、新たに作成したのが「ひとりでとっくん365日」シリーズです。この問題集は教室で行う授業の進度に合わせて作りましたので、基礎から応用へという学びの順序性を踏まえています。こぐま会では、毎年ゆりクラス(年中児)の9月からセブンステップカリキュラムの授業がはじまりますので、ステップ1の内容は01&02、ステップ2の内容は03&04に対応しています。基礎段階の学習が終わるのがステップ4で、ひとりでとっくん365日では01~08までの内容が基礎にあたります。ここまでの学習は年長の4月末で終了しますので、それを目安に焦らずゆっくりと学習していただくのが一番良いかと思います。

教科書のない小学校入試であるため、多くの受験生の皆さまが、この「ひとりでとっくん365日」を教科書代わりに使って学習されています。入試問題を作成する小学校の先生方もこの問題集を参考にされていると聞きます。しかし、これは小学校入試のために作ったものではありません。幼児期の基礎教育として必要な内容を盛り込んで作ったものです。その問題集が入試のための参考書になっている現状を考えると、小学校入試は極めてまともな問題を出す試験であると言えます。基礎学習のための問題が入試で取り上げられているという現状をしっかり見ておけば、小学校入試が特別な存在ではなく、基礎教育の延長にあるということが、こうした点からも証明できるのです。「入試か - 入試でないか」という発想をやめ、基礎教育の内容として入試問題もしっかりと受け止めておくべきです。

ところで、お母さまがお仕事をされながら小学校入試に取り組むご家庭が多くなってきました。塾通いが難しい場合は、ご家庭だけで学習対策をし、実際に合格を果たすケースも増えています。そうした方々の多くは、夏季講習会をはじめとする季節講習会やKOGUMAひまわり会等の講座に参加され、集団授業の経験を積まれています。こうした方々を応援しようと、「書店こぐま会セミナー」(年4回)、「こぐまのがくしゅう教室」(年長児:年4回/年中児:年6回)を週末に実施し、「こぐまのがくしゅう教室」の方ではセミナーと併せて集団授業も行っています。ペーパー学習だけに偏らないように、事物教育も取り入れながら家庭学習の成果をチェックしています。今年はさらに、8月後半に「ひとりでとっくん365日スクーリング」を計画しています。家庭学習の成果をいろいろな角度から点検し、9月・10月の直前学習の課題を明らかにします。ひとりで行う家庭学習と、集団で考査が実施される試験会場とでは雰囲気が違いますので、その雰囲気に慣れるために、1クラス12~15人で授業を行います。

「ひとりでとっくん365日を2回り終わりましたが、これから何を学習したらいいですか?」という類の相談が増えています。そういう子どもたちに限って基本的な考え方が身についておらず、教え込まれた解き方だけで解いていくケースが目立ちます。ですから「なぜそうなったのか」「どのように考えたのか」といった質問にはほとんど答えられません。どんな形で問われても解いていけるような力を身につけるためには、ペーパー学習だけでは限界があります。そのために、「ひとりでとっくん365日」には学習内容に合わせたカード教材「おけいこカード」も準備されていますので、これも活用してください。また、「ひとりでとっくん365日テスト」のアプリ版である「ひとりでがんばりマスター」も好評です。聞き取り練習とスピードトレーニングに効果があると思いますので、ぜひ活用してください。8月後半に予定している「ひとりでとっくん365日スクーリング」については、詳細が決まりましたらホームページに発表しますのでご覧ください。

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