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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

広島におけるこぐま会の教育が5年目を迎えました

第674号 2019年5月17日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 2015年4月から始まった広島での「大木スクール こぐま会 広島校」の実践も、5年目を迎えました。毎年の合格実績も増え続け、昨年の入試では広島大学附属小学校の合格者数も46名となり、4年間で3倍ほどに伸びました。こぐま会の事物教育が多くの皆さまから支持され、通塾生も毎年前年対比で伸び続けて、今では110名を超える規模になりました。今年も、広大附属小対策の第1回公開模擬テストに合わせて講演会を行いました。演題は、「大切な幼児期に何をどう学ぶか ~広大付属小合格に向けて~」でした。大教室を埋めつくす大勢の保護者の皆さまの真剣な表情に応えるべく、可能な限り具体的に、入試の実態を踏まえてお話しさせていただきました。今回は、キャンセル待ちが出るほど大勢の皆さまからお申し込みがあったようです。

毎年5月と10月の2回、広島に出向いてセミナーを開いてきましたが、最初の頃と比べると本当に参加される方の人数が増えた感じがします。講演会後の個別相談では、小学校受験はしないけれど事物を使った教育に大変興味があり、将来の受験にも役立つのではないか・・・と参加されている方もいらっしゃいました。ペーパーばかりさせる入試対策に疑問を持たれている方も大勢参加されていました。幼児期の基礎教育の実践の中で、小学校入試を捉えるべきだというこぐま会の考え方が、大勢の皆さまの支持を得ているように思います。それは、結果が伴っているからにほかなりません。理想の教育論をのべても、それが実際の入試に反映されていなければ支持されることはないでしょう。4年前に16名だった広大附属小の合格者が、昨年46名だったという事実がすべてを物語っています。それは教室だけの実践ではなく、ご家庭でも保護者の方が同じ考え方で実践され、子育ての総決算として入試を捉えて教室任せの準備教育になっていないところが、大きな成果を生み出している最大の理由だと思います。「事物教育」「対話教育」の実践が、入試対策としても有効であるということの証が、大木スクールこぐま会の実践ではっきりと見て取ることができます。この流れで、広島における小学校受験の対策塾としてトップの座を確保できれば・・・とスタッフ一同意気込んでいます。今回のセミナーでは、以下のようなお話をさせていただきました。

大木スクール こぐま会 広島校
教育セミナー「大切な幼児期に何をどう学ぶか ~広大付属小合格に向けて~」
1. はじめに - 幼児教育をめぐる現状
  1. ジェームズ・ヘックマン氏の主張
  2. 小学校へのつながりを考えた幼児教育のあり方
  3. 知・徳・体の中でも、知の部分が一番遅れている
  4. アクティブ・ラーニングの実践要請
2. 小学校受験の現状
  1. 震災以降小学校受験は大きく変わってきている
  2. 教え込みの教育に対し、学校側が警鐘を鳴らしている
  3. 子育ての総決算としての入試
  4. 正しい幼児教育の結果としての入試
3. KUNOメソッドについて
  1. 3つの教育理念
  2. 6領域指導
    未測量/位置表象/数/図形/言語/生活 他
  3. 3段階学習法
    身体全体でかかわる活動/事物を使った試行錯誤/教師との対話・ペーパーによる理解の確認
  4. 対話教育の実践
    子どもたち同士の関わりを大事に/自分の考えていること、感じていることを言葉で表現させる/ある課題をめぐって話し合わせる
4. 幼児期に大切な10の思考法
  1. ものごとの特徴をつかむ
  2. いくつかのものごとを比較する
  3. ある観点に沿って、ものごとを順序づける
  4. 全体と部分の関係を把握する
  5. 観点を変えてものごとを捉える
  6. ものごとを相対化してとらえる
  7. 逆に考える
  8. あるものごとを、ひとまとまりにして捉える
  9. 規則性を発見する
  10. AとB, BとCの関係から、AとCの関係を推理する
5. 広島大学附属小学校 入試問題の分析

セミナーに参加された保護者の方からいただいたアンケートを少し紹介させていただきます。皆さまのご意見に、子育てや受験対策に対する迷いや期待が集約されているように思います。

  • 「考える力」を伸ばす教育、主体的に関わる事物教育が大切な中、「観点を変えてものごとを捉える」ということが各場面で生きる上でも大切になってくるということをお話しして頂き、とても参考になりました。
  • 数値化できない、非認知能力が大切だということ。
    日常生活での経験で得るものが大きいこと。
    子どもの本来の姿を失わない
    意外に難しい問題が出題されていて驚きました。
  • 幼児教育によって、物事を多方向から見る思考法を身につけることが大切というお話が印象的でした。日常生活でもなるべく意識して子どもに働きかけようと思います。ありがとうございます。
  • 小学校受験は子育ての総決算というお話が一番心に残りました。いくらペーパーをやってもやはり土台となる家庭や幼稚園での生活が長い時間を占めるので、そこをもっと重視しなくてはならないと思いました。大変貴重なお話をありがとうございました。
  • 「焦らず試行錯誤する時間を確保してあげること」との言葉がとても印象に残りました。聞けて良かったです。
  • ペーパーばかり重要視していたが、そうではないという貴重なお話を聞く機会を頂けて残りの半年、まずは親が頭を切り替えて焦らず順序立ててやっていこうという気持ちになれました。
  • 将来の役に立つような基礎を学ぶのが幼児教育をすることの大切さだということを改めて感じました。家庭や幼稚園での経験、遊びに学ぶチャンスが多くあるということも改めて感じました。
  • 普段の生活の中でも視点を変えて考えてみることなど、できることはあるとお聞きしまして意識してみようと思いました。ありがとうございました。広島だけでなく東京の受験などもお聞きできて参考になりました。
  • 久野先生から直接、幼児教育について聞くことができとてもありがたいです。自分自身で考えて行動する、自分の力を信じることも大事だと思います。また宜しくお願いします。
  • 学習面でペーパー重視していましたが、日々の生活の中お友だちとの関わり、家庭での生活面などいろいろな場面が経験となり知識となり本人の成長につながっているのだと改めて感じました。お家の中でいろいろ体験させていこうと思います。
  • 家庭での教育のまとめが小学校受験だと言われたのが印象的でした。家庭の中のヒントを見逃さないようにしたいなと思いました。遊ばない子は伸びないという言葉は胸に刺さりました。本人のいいところを伸ばしてあげられるようサポートしていきたいです。

私が参加者の皆さまにお伝えしたかったことをしっかり受け止めていただき、普段の勉強のあり方を振り返っていただくチャンスになったのではないかと思います。長い時間と多くのお金を費やして臨む受験です。入試が終わったら何も残らないような、つめ込み教育、メッキ教育をすべきではありません。将来の学習の基礎として意味のある幼児教育を実践し、その中で小学校受験も乗り越えていけるような・・・そんな準備教育が広がっていくことを願っています。

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