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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

「ひとりでとっくん365日」教育レシピ

第656号 2019年1月11日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 こぐま会のオリジナル教材の中でも、一番よく売れているものは「ひとりでとっくん365日」シリーズです。受験される方はもちろん、受験されない方々にもお使いいただき、幼児期の基礎教育の教科書的な役割を担っています。年間のべ28,000冊ほど売れているベストセラーの教材です。この教材のもとになったものは、100冊合計3,000枚に及ぶ「ひとりでとっくん100」シリーズですが、こちらも年間でのべ160,000冊ほど売れている人気のペーパー教材です。この「ひとりでとっくん100」シリーズは、幼児期の基礎教育として何をどう学ぶのかを考えて作成した問題集で、1冊1冊の中身は、教室での授業実践をもとに、基礎から応用へと問題を並べて無理なく学習できるようにしています。完成までに20年間かかりました。ただ「ひとりでとっくん」と命名したように、自分1人でできる問題を最初につくった関係で、1~100までの番号に必ずしも学習の系統性を持たせてあるわけではありません。その結果、多くの方々からどの順序で学習したらよいのかといったお問い合わせをたくさんいただきました。その要請に応えるために問題を厳選し、こぐま会の日常授業の順序に並べ替えてつくった問題集が「ひとりでとっくん365日」シリーズです。多くの方々から「使いやすい」との評価をいただける理由は、1年間に学ぶ学習内容を、教室の進度に合わせてつくってあるからにほかなりません。そして、この問題集が支持される最大の理由は、保護者向けの学習手引きがついていることです。なぜ、この学習が必要なのか、次にどのような学習につながるのか、どんなところで躓くのか、分からなかったときどうするか・・・そうした現場教師のアドバイスが、家庭学習の参考になっているようです。受験対策に関しても、ほとんどの受験生が家庭学習用に使われているようです。個人塾の先生も推薦してくださっているようですし、入試問題をつくる学校の先生方にもご支持いただいており、多くの学校で類似問題が出題されています。教科書のない小学校受験に学びの方向性を与えています。

この度発売した『「ひとりでとっくん365日」教育レシピ』は、これまでの手引書をさらに発展させ、「なぜこのペーパー学習が必要なのか」を、ペーパー以外の課題も紹介しながら解説した、新しい形の指導書です。1年間の学習内容を、教室で学習する順序に並べ替え、代表的な問題を取り上げて、授業で行う課題も紹介しながら、家庭でも無理なく積み上げていけるように工夫したものです。実はこのレシピは、ホームページのコラムに毎週1編ずつ1年間かけて書き綴ったものを再編集してつくり上げたものです。例えば、ばらクラスの今週の授業は「長さくらべ」の学習ですが、ここで学ぶ大事なことに次の3つがあります。
  1. 量の系列化を学ぶ
  2. 順対応の考え方を旗づくりを通して学ぶ
  3. 個別単位の考え方を学ぶ
この中でもはじめて学ぶ「順対応の考え方」と「個別単位の考え方」を、教育レシピでは具体的なペーパー問題を使って解説しています。例えば個別単位については、92項目あるレシピの33番目「2番目に長いひもはどれですか? - 個別単位の考え方」のところで次のように解説しています。


92の課題に関しては、どれもこれから小学校に入って学ぶ「教科学習」の基礎として大事なものばかりですが、この中の多くの問題が、実際の小学校入試でも出題されています。その意味で、小学校入試で出される問題は特別な訓練を要する特殊な問題ではなく、幼児期の基礎教育をしっかりやっておけば十分対応できるものでもあるし、逆にこうした基本的な学習をしないまま過去問だけを練習をしても、本当の意味での「考える力」は身につかないということです。この教育レシピは、受験生の保護者の皆さまだけでなく、幼児期の教育を考えるすべての皆さまにお読みいただきたいと思います。

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