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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

第4回 合格のための室長特別セミナー

第646号 2018年10月19日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 来年秋に受験する年中児の保護者の皆さまを対象に、第4回合格のための室長特別セミナーを開催しました。会員の皆さまだけでなく、一般生の皆さまにもご参加いただく「公開セミナー」です。
今回は「新傾向の問題とその対策」と題し、現在の小学校入試における新傾向の問題を分析し、どんな学習が必要かを具体的にお伝えしました。また、セミナーと並行して「学力診断スタートチェック」を行い、子どもの現状をいろいろな視点から評価しました。セミナーでお伝えした内容は以下の通りです。

合格のための室長特別セミナー 第4回「新傾向の問題とその対策」
  1. 子どもの学力の現状
    1. 第4回「聖心模試」の結果から見える子どもの弱点
    2. ひまわり会「つみ木問題」に見られる学力差の背景
  2. 新傾向の問題とは何か
  3. どのような学習法が必要か - 具体的な問題に即して -
    1. 交換
    2. 飛び石
    3. つみ木による四方からの観察
  4. 現在の入試で求められる能力とは
    1. 1回の指示を正確に聞き取る(聞く力の重視)
    2. 指示どおりに作業し、答えを導き出す(作業能力)
    3. ものごとを筋道立てて考え、問題を解く(考える力の重視)
    4. 行動観察時におけるコミュニケーション能力
  5. 望ましい学習法
    1. 事物教育によるアクティブ・ラーニング
    2. 対話教育による「言葉で考える」トレーニング
  6. これから1年間の学習計画
    1. 11月~4月:基礎学力の育成
    2. 5月~7月:応用学力の育成・過去問対策
    3. 8月~9月:予想問題総合演習
    4. 10月:総まとめ・基礎事項総点検

入試を控えた受験生の現時点の学力がどのようなものであるのかを、最近行った学校別テストの結果や授業で行った具体的な問題について、正解できる子と正解できない子の違いを明確にし、どんな能力が備わっている必要があるかを分析しました。特にテストで平均点が低い問題は、一体どこが難しいのか、それを解くためにどんな学習が必要かを明らかにしました。入試に向けた学習の方法に誤りがあることを具体的に伝え、「考える力」が求められる問題をどのように解決していったらよいかをお伝えしました。新傾向といわれる問題は何か、最近の入試問題から選び、そこで求められている能力を分析しました。また、「交換」・「飛び石」・「つみ木を使った四方からの観察」といった典型的な新傾向の問題を解決するために、どんな学習が必要かを明らかにし、その中で現在の入試で求められる基本的な能力を、
  1. 聞く力の重視
  2. 作業能力が求められる意味
  3. ものごとを筋道立てて考え、問題を解く力の重視
  4. 行動観察時におけるコミュニケーション能力
の4つに整理し、事物教育による主体的な学びと、対話教育による「言葉で考える」トレーニングを徹底して行うことが大事であることをお伝えしました。

11月から新学期を迎え、来年秋の入試に向けて、保護者の皆さまも1年間のがんばりを決意して臨む入試対策のはずです。その意気込みが、かえって子どもの学びを間違った方向に持って行ってしまう原因になることが毎年多く見られます。その最大の原因は、学習のはじめから「過去問に取り組ませる」間違ったペーパー主義の教育です。1年後にできればいいものを、1年前に前倒ししてやったらどうなるか・・・理解できなくて当然です。1年先のものを前取りしてやる受験対策がなぜ起こるのか。その理由も明確です。小学校受験の教科書がないからです。教科書がない受験対策など上級学校の入試では考えられないことです。教科書がないのに受験問題はある・・・とすれば、過去問をやらざるを得ないのでしょう。ここに、間違った受験対策の原因があるのです。指導する側が、入試問題が解けるようになる道筋をしっかり押えてカリキュラムを作成することが大事なのに、そのカリキュラムすらないのが今の受験対策の実態です。ペーパー問題はあるけれど、学びのカリキュラムがない。ここまで来ると、合格さえすれば何でもあり・・・の状況で、入試が終わったとたん、大量の勉強嫌いの子を生み出すことになり、その結果、受験であれだけ机に向かっていたはずの子の低学年での学力が相当落ちているという結果を招くのです。高いお金と大量の時間をかけて臨んだ入試で合格を勝ち得たとしても、将来に繋がる学力の基礎もできていないし、その上つらい受験勉強を経験して勉強嫌いな子を大量に送り出しているとすれば、何のための受験だったのでしょう。だからこそ、学校側から受験産業に対し「型」を教え込まないようにと警告が発せられているのです。

10月16日の午前中には、第37期 新ばらクラス生の保護者の皆さまに集まっていただき、これから1年間の学習をどのように進めたらよいのかをお伝えしました。事物教育と対話教育を実践し、入試対策だけでなく、将来の学力の基礎をしっかり育てる「KUNOメソッド」の方法を説明し、家庭での学習も教室と同じ方法で行うことをお願いしました。

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