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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

gacco通信講座 対面授業が始まります

第526号 2016/4/15(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 3月9日から始まったgacco通信講座「幼児教育に新しい風を」 の30回分の配信が無事終了しました。3,500名以上の講座登録があったようで、幼児教育に対する関心の高さに驚いています。来る17日(日)には、こぐま会本校において「対面授業」を行う予定です。オンラインで学んだことを、対面授業でより深めるという趣旨の「反転授業」です。受講を終えた皆さまと、教室で議論できることを楽しみにしています。

午後1時から予定している対面授業では、第1部で「幼児期の教育内容と方法」と題し、総括講義を行います。その上で、参加者の皆さまに子ども役をやっていただき、実際の授業を行います。また、そこで行われる授業内容が、なぜ「考える力教育」にとって意味があるのか。また、そもそも「考える力」を育成するというのはどういうことか・・・等をご一緒に考えたいと思います。

第2部では、今度は先生役をやっていただき、実際の授業内容を考え、カリキュラムを作っていただきます。ごっこ遊びのテーマを与え、そのテーマにそって幼児期の基礎教育の内容を考えていただきます。その際に大事な点として、

(1) 学習目標を明確にすること
(2) KUNOメソッド3段階学習法を踏まえ、体を使った集団活動・手を使った個別活動・頭を使ったペーパーワークの内容を考える

この2点を踏まえ、グループディスカッションを通してカリキュラムを完成させ、発表していただきます。最後に、それを素材に「幼児期の基礎教育」の在り方を議論します。教え込みでない幼児教育の在り方を共に考えながら、今回の講座のまとめとしたいと思います。
対面授業は講義を受ける授業ではなく、WEB上で受けた講義を踏まえて議論する場にしなければならず、今回の対面授業では、授業案づくりを通して、「幼児期における基礎教育の内容と方法」を深く学んでいただく良いチャンスだと思います。

話は変わりますが、私は、3月26日~31日までタイのバンコクに出向き、講演会と3, 4, 5歳児向けの体験授業を3回行ってきました。7月からバンコクでKUNOメソッドによる教室が始まる予定ですが、その準備のために、保護者の皆さまに「KUNOメソッド」の内容と方法を具体的にお伝えしてきました。ペーパー教育しかご存知でない保護者の皆さまは、「事物教育」に大変興味を持たれたようでした。ジェームズ・ヘックマン氏の著作物に触れ、「タイにおける幼児教育も変革する必要がある」という考えをお持ちの大学教授ともお話しさせていただく機会を得ました。その先生のご紹介で、国立子ども病院の院長先生にもお会いすることができ、KUNOメソッドの教育法をご紹介させていただきました。タイにおける幼児教育の多くも詰め込み式のようで、そうした教育に変わる、「事物教育」「対話教育」による私たちの実践に大変興味をもたれたようでした。

海外に出かけ、その国の幼児教育の実情を知るにつけ、詰め込み式でない私たちの考える力教育がなぜ評価されるのかも、次第に分かってきました。私たちが当たり前のごとく行っている事物教育が、実は昔からある教え込みの教育法からすれば、画期的な方法なのです。日本における受験のための準備教育のほとんどが詰め込み式のペーパー教育であり、その中で、こぐま会の教育法が学校側からも評価されている事実を考えれば、KUNOメソッドの教育法がこれからの幼児教育改革に必要なことは明白です。小学校受験も、そうした方向に向かうのも当然な流れであることがわかります。これからの教育のキーワードとなる「アクティブ・ラーニング」そのものを、こぐま会が実践していると皆さまから評価される理由が、良くわかってきました。


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