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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

いよいよセブンステップスカリキュラムの開始です

第497号 2015/9/4(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 今年も入試まで残すところ2カ月足らずとなりました。受験生は、最後の追い込みで連日過去問に取り組んでいます。一番良い状態で本試験が迎えられるよう、肉体的な健康管理だけでなく、精神的な健康管理もおろそかにできません。特にこの9月は、ご両親が願書・面接対策で忙しくなるため、子どもとかかわる時間が十分取れず、子ども自身が戸惑い精神不安定になることも多くありますので、これまでの生活リズムを変えないで、入試本番を迎えられるようしてください。

ところで、来年秋に受験する年中児の皆さまも、この9月から本格的な入試準備に入ります。こぐま会でも、受験クラス(ばらクラス)は11月から開始しますが、それに先立ち、ゆりクラス(年中クラス)9月から基礎教育プログラムの「セブンステップスカリキュラム」がはじまりました。従来11月から始めていたプログラムを2カ月前倒しして、時間的なゆとりを持ちながら「トレーニング」を強化するために、こうした方針になりました。ただ応用段階の学習は従来通り、年長5月の連休明けから始まります。基礎をしっかり構築するために、ゆりクラスの9月から開始したわけです。

この授業の開始に先立ち、8月29日(土)に、ゆりクラス生の皆さまを対象に進級ガイダンスを実施しました。大勢の皆さまにご参加いただき、9月から翌年10月までの14カ月間の指導内容と指導方法を具体的にお伝えしました。基本クラスのみならず、受験対策クラスの内容説明や、テストガイダンスも併せて行いました。

小学校受験はまだまだ情報未公開のところがあり、多くの方々が、中学校以降の入試と同じ感覚でとらえている面が見られます。しかし小学校受験は、ペーパーテストに象徴される学力試験の点数のみで、上位から合格者が決まっていくわけではありません。学力テスト・行動観察・三者面談の総合で合否が決まっていきます。中でも、小学校受験独特の「行動観察」が合否を大きく左右しているのが特徴です。以前にもこちらのコラム(第489号)で書きましたが、これからの大学入試は、「認知能力だけでなく、非認知能力も重視すべきだ」という提言が多くみられますが、見方を変えればこうした入試改革の最先端を行く入試を、小学校入試はこれまでも行ってきたと言えます。ですから、「小学校受験対策 イコール ペーパートレーニング」という考え方は、時代遅れの考え方だということです。ある小学校の配布資料にもありましたように、「子育ての総決算としての入試」ですから、ペーパーで得点を増やすことだけに力を入れた対策では不十分です。間違った受験対策は、合格から遠ざかるだけでなく、子どもの成長の芽を摘み取ってしまうことにもなりかねません。受験勉強のスタートにあたり、その点を保護者の皆さまにはよくお考えいただきたいと思います。正しい受験対策は、幼児教育の原理原則に沿った、まともな基礎教育で行うべきです。学校側は、決して「特殊な教育」「詰め込みのトレーニング」を求めているわけではありません。年齢にふさわしいバランスのとれた「育ち」こそが、小学校以降の学習を支えるレディネスになるのです。


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