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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

入試が変わる

第476号 2015/3/20(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 11回目を迎える今年の女子校合格フェア(4月19日・26日、5月2日・3日・4日)は、「入試が変わる」をテーマに行います。このテーマに沿って、さまざまな角度から現在の入試と、これからの対策の在り方を明らかにします。入試はなぜ変わろうとしているのか、なぜ変わらざるを得ないのか。それには、さまざまな理由が考えられます。

(1) 大学入試を頂点とした、あらゆるレベルでの入試の在り方が変わろうとしています。小学校入試もその流れの埒外ではありません。
(2) 生きる力としての「学力」観が、社会の発展とともに変わってきています。知識偏重型の入試では、これからの時代を背負う人材は育成できないことがはっきりしてきたためでしょう。
(3) 大学受験のことだけを考えれば、公立高校の頑張りで大学進学率が上がり、小さいうちから遠くの私立に通わせる必要はないと考える家庭が増えています。特に震災後はその傾向が強くなっています。その意味で、小学校受験を目指す家庭の考え方に変化が見られます。
(4) 受験者数の減少や定員割れの現実を踏まえ、小学校側の姿勢が変わりつつあります。学校側から受験者側に近づこうという姿勢、可能な限り情報を公開しようという姿勢など、受験者に優しい措置が取られるようになりました。
(5) 学力観の変化に伴い、当然入試問題も変化しています。知識の量ではなく、自ら考え、自ら作業して答えを導き出すような力が求められています。
(6) 同時に、学力がどれだけ身についているかだけでなく、家庭教育がどこまでしっかりなされているかを見ようとしています。面接や行動観察重視はその流れであり、そうした意味で、合否判定基準も変化しつつあると言えます。
(7) 子どもたちを受け入れる学校側が、入学後の子どもたちの成長を見て、幼児教室が行っている教え込みの指導の弊害を指摘しています。つまり、ペーパー主義の訓練によって身につけた機械的な知識では将来伸びないと考えています。また、同じように望ましいとされる「型」を身につけさせるような画一的な指導(行動観察対策)を厳しく批判しています。

世の中全体の学力観が変化し、小学校受験を目指す家庭の考え方が変化し、それに伴い学校側の対応や出題する問題が変化し・・・いま小学校入試は大きな曲がり角に来ています。変化の背景と変化の中身を正確に知ってこそ、有効な入試対策がとれます。逆に旧来のままの発想では、これからの入試に対応することはできません。上に掲げた7つの観点を踏まえ、教室指導者、カリキュラム・教材作成者、学校関係者、入試経験者(OB)など、さまざまな立場からの話を総合して、変わる入試の実態を明らかにします。ぜひご参加ください。

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