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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

間違った受験対策にならないように

第458号 2014/10/31(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 都内の私立小学校では、明日から入試が始まります。「子育ての総決算としての入試」です。これまで家族一丸となって取り組んできた、その頑張りが必ず実を結ぶはずです。その入試が始まる一方で、来年の入試に向けた新クラスの授業がスタートしました。こぐま会の受験向け学習である「セブンステップスカリキュラム」は、すでにゆりクラス(年中)の9月から始まっていますが、今週からは「ばらクラス」としてステップ2の授業が始まりました。これから1年間にわたり、48週の授業が続きます。32期の受験生を送りだした次の週から来年受験の33期生の授業という、我々職員には息つく暇もなく新年度がはじまりましたが、その授業に先立ち、10月26日(日)に新学年開講オリエンテーションを開きました。日曜日にもかかわらず、80名近い保護者の皆さまにお集まりいただき、次のような内容でこれから1年間の授業方針をお伝えしました。

第33期 「ばらクラス オリエンテーション」
1. 入試関連セミナーのご案内
  • 正しい家庭学習のためのお母さまゼミ
  • お父さまのための土曜ゼミ
  • 雙葉 / 聖心 合格のための勉強会
  • 入試結果報告会
  • 学校別分析セミナー
  • 室長連続セミナー「合格カレンダー」
2. 入試対策クラスの取り方
3. テストガイダンス
4. ばらクラス担当教師紹介

冒頭で、すでに終了した神奈川県の入試結果を踏まえ、何がどう変わったのかを詳しくお伝えし、それが受験全体に及ぼす影響等も分析しました。試験の内容や方法、また合格者の居住範囲の変更等、入試全体をさまざまな角度から分析しました。また、面接試験で思うようにいかなかったという何人かのお母さま方の話を総合し、「なぜ思い通りにいかなかったのか」を分析して見ると、「模範解答を頭にたたきこんで出向く面接試験が、いかに効果がないか」がわかります。実は学習においても、同じことを子どもにも押しつけているのです。その結果、答えはわかるがそのプロセスを説明できない子が大量に生まれています。そんな学習では今の試験には効果がないことをお伝えし、「間違った受験対策」にならないよう、強くお願いしました。

1年後の入試に向け一番困るのは、教室での授業進度を無視して、ともかく早く難しい過去問に取り組みたい・・・と焦る母親の気持ちです。噂話を聞くたびに右往左往してしまうお母さまにとっては、この1年間どのような考え方で受験対策をとるか、そして一度決めた方針をどう徹底するかに「合否」はかかっています。母親が焦り始めたら、これからの入試対策は「間違いの連鎖」に陥ります。そうならないよう、

(1) 入試情報は正確なものを集める
(2) 授業進度に沿って家庭学習を徹底する。その意味で復習中心とする
(3) 基礎学習が終わる年長4月までは、難しい過去問には取り組まない
(4) 基礎ができた段階で難しい過去問に取り組ませ、答えを導くそのプロセスを言語化できるよう繰り返す
(5) 夏休み前までに、入試に絡む学習単元はすべて終了させる
(6) 7月の夏休みから入試直前までは、実際の試験に合わせた総合トレーニングを積む

こうした基本方針を前提に、「入試対策クラスの受講法」や「模擬テストの受け方」等を、担当者からお伝えしました。

今年の入試で何が変わるのか、どんな傾向になるのか・・・それをいち早くキャッチし、今後の指導に生かしていくつもりです。明日から1週間ほどは、受験した子どもたちからの聞き取り作業が、我々職員の最大の仕事になります。30年続けてきたこの地道な方法しか、小学校入試を明らかにする方法はありません。小学校側からの情報開示がない限り、こうした方法で対応していくしかないのです。

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