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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

何が合否を分けたのか

第418号 2013/12/27(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 12月22日(日)に大勢の皆さまにお集まりいただき、第1回合格カレンダー連続講座を開催しました。この講座は、受験生の保護者の皆さまを対象に、正確な入試情報を伝えるためのセミナーです。会員・一般を問わずご参加いただける講座で、毎月1回ずつ開催していく予定です。12月8日は、2014年度入試全体の総括、また15日には、女子校・男子校・共学校と分けて、実際に出された問題を分析するセミナーを行ってきました。今回は、その2回のセミナーを踏まえて、「何が合否を分けたのか」というテーマで、受験生個人に焦点を当てて、今年の入試の実際を分析しました。参加された皆さまにお配りしたレジュメは、以下の通りです。

2015年度入試対策 合格カレンダー連続講座 第1回
「何が合否を分けたのか」
- 2014年度入試結果から何を学ぶのか -
(A) 合否判定から学ぶこと
1.普段の成績から見た合否判定の不透明さ
学校別模擬テストから見た合否関係
第2回合格判定テストから見た合否関係
第6回ステップ別発達診断テストから見た合否関係
(1) 学力だけで判断していない
(2) 子どもの成績は、いろいろなものに左右されて変動する
(3) 関係者に有利に働く場合がある

2.複数校合格した子の事例と背景
    なぜAちゃんは複数校合格できたのか
(1) 学力がある
(2) 自分の意見を言え、他者との関わりも経験豊富
(3) 母親からの自立(自分で考え、自分で行動できる)
(4) 教室で学んだことを家庭でも徹底して復習する
(5) 父親の協力
(6) 複数合格した子のほとんどが、雙葉クラスか聖心クラスを受講し、思考力を要求される問題に取り組んできた

(B) 学校は何を求めているのか
1.入試問題の変化は何を意味するか
(1) 基礎学力の重要性
(2) 詰め込みの学力は、将来の学力を保証しない
(3) 受験勉強で疲れ切った子どもは、入学後、学習そのものに興味を示さなくなる

2.行動観察重視の背景
(1) 遊べない子は将来伸びないという学校側の認識
(2) 自立した行動こそ、学力伸長の土台
(3) 小1プロブレムを起こさないために
(4) 子どもの行動の背景に、家庭教育の成果が見える

3.子育ての総決算としての入試
机に向かって行うペーパートレーニングが入試対策ではなく、園での生活、家庭での生活、母子関係等、子育ての全てが入試の対象になる
幼児期に必要なまともな教育こそが大切。自立した思考・自立した行動こそが、学校側が求めているもの。決して特別な詰め込み教育が必要なのではない

4.父親の果たす役割
年間通して「お父さまのための土曜ゼミ」に参加されたご家庭が、ほとんど志望校に合格している事実を見ると、父親の理解と協力が、合格のためには必要

(C) 合格のために
1.学校選びをどう考えるか
大学まで続く教育の中での小学校受験の受け止め方
2.詰め込み式の教育では合格できない
3.信念を持って、徹底すること
受験のためだけの学習ではなく、将来の学習の基礎である大事な幼児教育として受け止める
幼児期にしかできない学びがある

1年間受けたこぐま会のテスト結果と、実際の合否を照らし合わせ、「何が合否を分けたのか」を、子どもの学力・集団活動での様子・自立的行動面等の観点から分析しました。こうした受験生個人の立場から、入試の実態を明らかにすることによって、合否がどのように判定されたのかが浮き彫りになり、来年秋の入試まで何をどう準備すればよいのかがわかります。また、合格された大勢の皆さまの取り組みを見ていくと、毎日何十枚とペーパーを訓練することが入試対策なのではなく、家庭においても、まともな考え方で幼児期の基礎教育を実践することが大事であることがわかります。「子育ての総決算としての入試を・・・」と訴えた学校側のメッセージは、最近の合否の実態を見ていくと、実によくわかります。ペーパーを使った教え込みの訓練を必要としない入試をどう実現するかを、学校側も真剣に考え始めています。その学校側の動きに対応した準備が必要です。


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