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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

第3回 合格カレンダー連続講座を終えて

第380号 2013/3/15(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 2月から始めた、合格カレンダー連続講座の第3回目のセミナーを、3月14日に行いました。今回は、図形に関する入試問題の分析と家庭学習の進め方について、以下の内容で行いました。

合格カレンダー連続講座 第3回
「新傾向の図形問題にどう対処するか」
1. 新傾向の図形問題
A) 入試問題をどう分析するか
B) 最近の入試問題における、図形領域の問題紹介
2. どんな能力が求められているか
一緒に問題を解いてみましょう
3. 難問対策のために、どんな学習をしたら良いか
A) 子どもにとって何が難しいのか
B) 図形的センスを高めるための経験
  その基本は、図形構成 - 図形分割
C) 最近のテーマは、対称・回転・移動

最近の入試では、数の問題よりも図形の問題のほうが工夫されて出されているということは以前お伝えしましたが(第319号「入試速報(5)「図形領域の課題」第345号「図形問題の変化は、何を意味するか」)、その流れは続き、2013年度の入試においても工夫された新出の問題が多く出されています。特に今回は、図形教育の前提となる、空間認識に関する「四方からの観察」が多くの学校で出されましたが、これも図形問題が重視されている一つの表れだと思います。図形の問題は数と比較するとパターン化しにくく、学校側も独自の問題が作り易く、考える力を求める問題を作成するには都合の良い領域なのかもしれません。ところで、図形領域の課題は入試に出る - 出ないに関係なく、幼児期の基礎教育として次のような観点で学習を積み上げていく必要があります。

1. 基本図形の理解(平面・立体)
2. 同図形発見
3. 図形模写
4. 図形構成(平面・立体)
5. 図形分割
6. 対称図形
7. 重ね図形
8. 回転図形

私たちが教科前基礎教育として掲げている上記8単元に、すべての入試問題は含まれています。ですから、入試問題に取り組む前に、各単元の基礎をしっかり身につけておくことが必要です。また、実際の入試問題はペーパー化されて出題されますが、図形的なセンスを養うためには、折り紙・つみ木・粘土といった具体物や、ピクチャーパズルや三角パズルに代表されるカード教材を使った学習が重要です。そうしたものへの働きかけを抜きに、ペーパーだけで過去問に取り組んでも応用する力は身につきません。この中で、入試問題の中心はやはり昔から「図形構成」「図形分割」ですが、最近の傾向をみると、「対称図形」「重ね図形」といった、昔からある難しい問題が多く出されている点が特徴です。難問化していく背景には、図形問題を通して「思考力」を見たいという想いがあるはずですが、教え込まれた知識で解決する問題は一つもありません。その点を良く理解し、学習方法を工夫しなければなりません。

セミナーでは実際の問題を解いてもらい、問題の難易度や、どこで子どもがつまずくかを実感してもらいました。たくさんの量をこなすより一つの問題にこだわり、その問題を解いていくためにどんな力が必要なのかを分析しておくことの方がどれだけ大事か、解っていただけたと思います。

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