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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

合格カレンダー連続講座

第226号 2009/12/26(Sat)
こぐま会代表  久野 泰可

 毎年入試が終わるたびに、「合格者」と「不合格者」の背景を分析し、小学校入試の実態を明らかにしてきました。その過程で合否を分けるポイントは何かを考え続けてきましたが、次の2つの点が小学校入試において「合格」を勝ち取るために大事な点であると考えています。

  1. 小学校入試に関する「正確な情報」をどれだけ持っているか。そのうえで、学校選択や正しい方法で学習がなされているのかどうか

  2. 受験する学校の過去問だけをトレーニングするのではなく、小学校の入試で求められている学力の基礎を系統だった学習で身につけているかどうか。また、行動観察の対策として、普段の家庭生活でなすべきことがきちんとなされているのかどうか

つまり、学校選択や家庭での学習が明確な方針のもとでなされているかどうかということです。その点を考えた時、小学校入試は子どもの試験以上に親のかかわり方が問われる入試であるということがよくわかります。ただ最大の問題は、入試を行う学校側から情報の開示が全くなされていないという点です。入試問題の意図や内容、行動観察の評価の観点、学力試験とその他の試験の評価のバランス等、受験者が一番知りたい情報が学校側から一切開示されていない現状であるために、業者側の思惑で間違った情報が流され、入試を控えた保護者が右往左往する結果になってしまっています。学力で合否が決まる試験であれば、学力を高めるための学習を積み上げていけばいいわけですが、現在の入試のように「学力がなければ合格できないけれども、学力があっても合格できない」現実をどう受け止め、どのような対策を講じたら良いのかが問われます。

毎年多くの受験生の進路相談に応じている中でいつも思うのは、「こぐまクラブ(こぐま会の情報図書館)に受験者からいただいた情報がたくさん集められ、閲覧できる環境をつくっているのに、入試の現状をしっかりつかんでいない。また、毎回の授業であれだけ具体的に家庭学習の進め方を伝えているのに、間違った方法で教え込んでしまっている」ということです。こうした現状を変えなくては合格につながらないと考え、今年から正確な入試情報の提供と家庭学習の進め方について、保護者対象のセミナー(勉強会)を継続して行おうと「合格カレンダー連続講座」を毎週木曜日に、これまで5回実施してきました。ここでご両親にもっと勉強してもらい、正しい入試対策を行っていただきたいと考えています。その内容は以下の通りです。

第1回11月19日「合格を目指す正しい家庭学習法」
 2010年度入試中間総括を踏まえて
第2回11月26日「なぜ、行動観察が重視されるか」
 これから家庭でやっていただく大事なこと
第3回12月03日「聖心合格のために必要なこと」
 新しい校長で何が変わったか
第4回12月10日「数の学習はどのように積み上げたらよいのか」
 なぜ、暗算能力が必要なのか
第5回12月17日「言語領域の学習の進め方」
 言語領域の問題が変化し始めています

毎回50名近くの会員・一般の方々が参加され、熱心にメモされています。毎週1回の講座を準備するのも確かに大変ですが、それ以上に毎回足を運んでくださる保護者の皆さまも大変だと思います。今後さまざまな噂話に足元をすくわれないよう、正しい情報や学習法をお伝えしていくつもりです。年明けから予定している第6回から第10回までは、以下のような内容のセミナーを企画しています。具体的なデータに基づいた入試の分析と、子どもたちの理解度に応じた系統的な学習法を、ともかくスタートしたばかりの今の時期にしっかりお伝えしていきたいと思います。

第6回1月14日「第一志望校と併願校をどう組み合わせ、学習するか」
 2010年度入試に見る組み合わせパターンと学習法
第7回1月21日「なぜ雙葉小合格が難しいのか」
 問題の難易度と合否判定の方法
第8回1月28日「東京女学館合格のために」
 第1志望校としての合格対策と併願校としての合格対策
第9回2月11日「父親のための小学校受験入門講座(父親対象)」
 合格のために、なぜ父親の参加が必要か
第10回2月25日「図形に強くなる学習法」
 図形領域の入試問題とその対策

合格に結びつけるために「家庭の力」は意味が大きいものです。その家庭での対策が正しく行わなければ、やればやるほど、悪循環にはまってしまいます。どうか、正しい情報に基づいた、冷静な対策を取るようにしてください。

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