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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

合格者からのアドバイスに学ぶ(3)

第139号 2008/02/15(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 2月10日に、一般の方を対象とした「学校別入試分析セミナー」を行いました。今回は会員を対象としたセミナーでは、既に終了している聖心や雙葉、白百合等8校について行いました。昨年秋に行われた2008年度入試の問題分析と、合否判定の様子など、これまでに入手した資料をもとに詳しくお伝えしました。2月24日にもう一度、女学館・英和・慶応など6校についてのセミナーを開きます。また、今回のセミナーに引き続き、4月20日と27日に予定している「第4回女子校合格フェア」においても、学校別セミナーやテストを予定していますので、今回参加できなかった方や、来年以降受験される方はぜひご参加ください。正確な情報を得て、安心して受験対策に取り組んでいただきたいと思います。
さて今回も、私たちが貴重なご意見として参考にしている「合格者からのアドバイス」を、ご紹介します。

来年受験される方に、どんな小さなことでも結構ですから、アドバイスがありましたらお書きください

受験ですから、合格することが目標です。でも、子どもにとっては二度と戻らない幼稚園時代です。とかく受験に役立つか否かで、善し悪しを決めてしまいがちです。ペーパーの足きりラインの得点はどんな方にも必須です。ただし、小学校受験は、ペーパーの結果では決まらないということを感じました。そこから先は、やはり久野先生のおっしゃる通り、生活体験の豊かなお子さんが、知らず知らずのうちに力を発揮すると思います。存知あげている何人かの方は、9月10月の幼稚園の行事にも親子で不参加だったり、「受験するから・・・」ということで特別な行動があったりしましたが、あまり良い結果をいただいていないようです。直前でも幼稚園生活を大切に、日々の生活を大切にすることのほうが、子どもの精神状態は良いと思います。
娘は、学校別模擬テストが2度(5月・9月)ともあまり芳しくありませんでした。受験する学校の出題傾向に不向きかと迷いましたが、年によって新しい問題が出る学校なので、模試の結果はあまり気にしませんでした。「うちの子は、そのうち化けますから」と先生に言い放つ程度がよろしいかも知れません。親が神経質だと、子どもは直前に熱を出したり、おなかを壊したり、思わぬハプニングにあいますから・・・

受験のことをあまりにも深刻に考えすぎると、この方のご指摘にもありますように、9月以降、特別な行動をされる方が増えてきます。
  • 幼稚園の行事に参加させない
  • 幼稚園を休ませ、朝から塾に連れて行く
  • 友だちとの遊ぶ時間を削って勉強させる
伝染性の病気が流行ったり、自らの体調が悪ければ別ですが、普段の生活を遮断し、家庭に閉じ込め、勉強だけの生活をさせることは、私の知る限りマイナス効果しかありません。
大学入試ならともかく、小学校の入試です。学力だけでなく、さまざまの面で子どもの様子が観察されます。子どもらしく、その年齢にふさわしい育ちをしているかが問われるわけですから、受験に向けた訓練だけで合格できるわけがありません。この方のアドバイスにあるように、二度と戻らない幼稚園生活を、受験に役立つかどうかではなく、子どもの成長にとって必要な経験として大事にすべきです。普段の生活のリズムを崩さず、入試を迎えることは大変な事ですが、それができるかどうかが、子どもの精神的な面や、母子関係の面で必要なことだと思います。入試直前の10月になって、勉強量を急にふやしたり、生活のリズムを変えて勉強一本の生活にしたりすれば、もうその時点で合格の道は閉ざされたと思って間違いありません。この方のアドバイスにもあるとおり、小学校の入試は、学力だけで決まりません。ペーパー試験の後に行う行動観察や、日を変えて行う行動観察は、子どもの成長の様子をさまざまな観点で見ようとしています。幼稚園の行事まで休んで、塾で勉強してきた子が、この行動観察の場面で子どもらしく振る舞えといっても、それは無理でしょう。受験のために訓練され、作り上げられた子は、合格に結びついていません。試験官は、子どもが普段どんな生活を送っているか、ちょっとした行動や発言で見抜いてしまうからです。年長児にふさわしい発達を遂げているかどうかを、学力も含めて見ているのですから、生活体験を豊かにさせることが大切です。

間違った受験対策にならないためには、小学校入試の受け止め方をもう一度考え直す必要があります。そうした意味で、次に掲げる別な方のアドバイスも参考にしてください。

寄付金やお金の問題、関係者、コネに関しては、こぐま会から公表されている情報がすべてだと思います。関係者が優位とされているならばその通り、実力本位と分析されたならば本当に実力本位だと思います。我が家は、志望校に関係は全くありませんでしたが、一年前の「分析セミナー」で志望校が「実力本位」とありましたので、それを信じて一年間頑張ってきたに過ぎません。それと、こぐま会での1年間の取り組みの最終目的は、本来は志望する小学校合格ではなく、「教科前基礎教育」であるということを信じていたことが、がんばってこられた理由です。
昨年11月に入会テストを受けてから、小学校受験に関する知識がゼロの状態からのスタートでした。その間、山あり谷ありのこの1年間、こぐま会での取り組みが子どもの発達段階にあった「教科前基礎教育」であるということを納得した上で頑張ってきたので、大きな谷も乗り越えられたと思います。「教科前基礎教育」のためと思うと、模擬テストの結果に左右されることもなくなりました。テストの結果が悪いときは、「教科前基礎教育だから・・・」が夫婦の合言葉でした。・・・後略・・・・・

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