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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

教室授業と連動した家庭学習のすすめ

第136号 2008/01/25(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 4年ほど前から行ってきた「合格のための連続講座」を今年もこの1月から開始しました。もともとこの講座は、「家庭と教室との連携」という授業方針の具体化の一つですが、主に家庭学習の方法を具体的にお伝えするセミナーとして行ってきました。こうした講座が必要だと感じたのは、家庭で学習する内容や方法が教室のそれと違ってちぐはぐでは、子ども自身が迷ってしまうからです。「お母さんが教えてくれてことと、先生が教えてくれたこととやり方が違うんだけど、僕どっちのやりかたでやればいいの?」と、質問されたことがあります。子どもは大人の教えた通りのことを忠実に守りますから、こうした質問が出てくるのも当然です。そうした場合にはお母さんと話し合って、教室で教えた方法で徹底してもらっています。早く難しいことを学ばせたいという母親の焦る気持ちが、どうしても教え込みになり、子どもが理解しないまま、解き方だけを教え込んでしまうケースが目立ちますが、私たち現場の人間から見ると一番困るやり方なのです。

幼児期の基礎教育は、子どもたちの生活や遊びに根ざしたものでなければ、発展性のある認識能力として定着しません。そのため、教室での授業だけでは不十分です。生活の中で経験を積み、その上にカード学習やペーパー学習を積み上げていくことが大事です。また、家庭における反復トレーニングも必要です。それだけ大事な家庭教育が、教室授業と違う内容や方法であったとすると、教育効果は望めません。私たちが、「復習中心の家庭学習が大事である」と繰り返し強調するのは、間違った先行学習はかえって弊害になるからです。

ところで、第1回目の講座は「合格のための正しいお受験法」と題して次のような観点でお話をしました。
  1. どんな考え方で、入試に向けた準備をしたら良いのか
    • 最近の入試から学ぶこと
    • 学力がありながら、どうして合格できなかったのか
  2. 家庭学習の進め方
    • 1年間の学習の流れ
    • 実力主義ではあるが学力だけではない入試の現状
    • 母子関係の在りようが、合否に大きく影響する
    • 父親の参加によって合格に大きく前進する
  3. 講座・テストの活用法
小学校受験に関する情報は、学校側から公開されていないため、いろいろな噂が飛び交います。間違った情報や間違った考え方から飛び出す噂話で右往左往したのでは、落ち着いて学習できません。第一志望の学校から合格をいただくには、毎日の積み重ねの学習が必要です。1年間の子どもの発達と、それぞれの時期によって子どもが壁に感じる問題点をあらかじめお伝えすることによって、どう乗り切るかの対策が立てやすくなります。私はこの連続講座で、それぞれの時期に子どもの内に起こるであろう問題点を明らかにすることによって、お母さま方の精神的な負担を軽くできればと考えています。

昨年受験し、見事第1志望校に合格された方から、こんな感想を送っていただきました。 「・・・それまでなかなか室長の連続講座には出席できませんでしたが、最終回の『直前1ヵ月の過ごし方』は何としても受講しようと、下の子どもを預けて出席しました。これは本当に役立ち、焦りがちな直前一か月を、平常心で当日まで過ごす指針になりました。」
こうした声がある限り、私も毎月1回の講座を頑張り続けたいと思います。

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