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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

これから入試対策をはじめる方へ

第116号 2007/08/29(Wed)
こぐま会代表  久野 泰可

 7月中旬から始まった夏季講習会も8月23日に無事終了しました。年長児の皆さんは毎日暑い中、お弁当持参で一日4時間の講習会を5日間連続でがんばりました。年中児の皆さんの中には来年秋の受験にむけて、集団での学習活動にはじめて参加された方も多かったのではないかと思います。それぞれの子どもたちにとって、この夏のがんばりはきっと実を結ぶはずです。

 この夏の講習会に参加され、9月から会員として入会される年中児の方が大勢いらっしゃいます。こぐま会のばらクラスは11月からスタートしますが、少し早めに授業スタイルに慣れ、この夏を受験準備のスタートにしたいと考えていらっしゃる方が多いのではないかと思います。例年9月入会が多いため、今年の夏は、学習サポートセンターにおいて、ばら(受験)クラスの授業内容を公開して「こぐま会の授業」を詳しくお伝えする、「ビデオ上映会」を連日行いました。ばらクラスの年間42週の授業はすべてビデオに収めてありますので、どんな風に授業が進んでいくのか、カリキュラムと実際の授業の様子を見ていただければ、学習の順序性や指導方法などもご理解いただけるのではないかと考え、今年初めて試みたものです。

 学習の進め方に関するセミナーも開き、同時に個別の相談会も行いました。来年秋に受験する年中児の方々の相談事で多いのは、「志望校をどうするか」ということと、「そのための準備を1年間かけてどのように進めたら良いのか」ということです。受験対策をスタートする時期であるからこそ、これから1年間の見通しをしっかりつけておかなくてはなりません。

 これから受験準備をスタートされる方に、私が一番お伝えしたいことは、何の系統性もなく、ただ入試に出題されたからということだけで、過去問をトレーニングするだけの準備教育では、本当の力は身につかないし、今の受験の現状にも対応できないという点です。年中の秋から年長の秋にかけての1年間は、われわれの想像を超えて、子どもたちはあらゆる面で大きく成長します。「考える力」の成長についても同じことが言えます。このような子どもの発達を無視した準備教育では、どうしても教え込みにならざるを得ないのです。それでは、基礎学力を育てることはできません。

 長い間幼児の基礎教育に携わってきた経験から言えば、何歳児に何が出来るかという議論よりも、学習内容の順序性を踏まえたプログラムを確立することが大事です。つまり、4歳6ヶ月で何ができなくてはならないかではなく、どのような順序で学習し、その結果として4歳6ヶ月の段階で何が出来・何が出来ないかを知っておくことが大切です。たしかに物事を理解する時期には個人差があります。しかし、速さに違いはあっても、順序が逆転することはありません。こぐま会では、こうした学習内容の系統性や順序性を明らかにすることによって、

(1) いま、どこまで理解し、どこからが理解できなくなっているのか
(2) ある課題を理解したらその次の課題として何を設定すれば良いか
(3) 一歩先の課題を明確にすることによって、進んだ子にはより進んだ内容を与える
(4) 理解できないことがあれば、どこまで戻れば良いか

といったことに的確に対応でき、発達に見合った無理のない学習を確立しています。

 この夏を受験準備のスタートと考えている年中児の保護者の皆さん。どんな環境で準備教育を進めるとしても、ぜひ前述した「学習内容の系統性・学習の順序性」を踏まえた準備教育を心がけてください。

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