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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

なぜ入試情報を公開するのか

2005/01/20(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可
こぐま会では創立以来、小学校入試に関する情報を出来るだけ集め、それをさまざまな形で公開してきました。私たちは教室での指導だけでなく、入試に関する正確な情報を会員のみならず、一般の方にも公開することを大事な仕事のひとつと考え、14年前から「入試情報センター」を設け、あらゆる情報の収集とその情報の公開に務めてきました。
学校側から入試に関する情報の公開がない以上、受験した子どもたちや保護者の方からの聞き取り調査以外に収集の方法はありません。幼児ですから、ひとりですべてを間違いなく覚えてくることは大変難しいことですが、同じ学校を受験した子どもたち10数名から試験当日聞き取りをして付き合わせると、出された問題のほとんどが判明します。

こうして、集めた情報をなぜ外部にまで公表してきたのか。ある教育評論家が私のところにみえて、「なぜ、ほかの塾では情報を隠す事によって、生徒を集めているのに、こぐま会では情報を公開するのか」とたずねられたことがありました。その時も、お話したのですが、こぐま会が入試情報を公開するのは、あまりにも意図的に誤った情報が業者サイドから流され、それがうわさとなって受験生の保護者に伝わり、必要以上に難しい問題が入試対策として子どもたちに課せられている現状を知ったからです。正確な情報をもとに受験対策を考えれば、子どもに無理な要求をせず、まともな方法で子育てをし、まともな方法で基礎教育に打ち込めば、どの学校にも合格していけます。私は33年間の受験指導を通してそのように考えています。しかし、うわさに惑わされて必要以上に難しい問題を解かせるのが入試対策だと思い、また動物を調教するのと同じ発想で、幼児の教育に当たるのが、受験対策だと考えている方が多いことを知った時、子どもたちを守る意味でどうしてもその間違いを糺したい・・・そのためには、まず実際の入試問題を知っていただきたい。そんな想いで、情報誌を編集したり、公開セミナーを開催したりしてきました。

昨年12月10日に行いました「入試結果報告会」に引き続き、今年から、新しいセミナーを外部の方にも公開しようと準備しています。1月25日の双葉小学校の問題分析を皮切りに、主だった学校の分析セミナーを、こぐま会のセミナールームである「こぐまクラブ」で行います。最近は、私立小学校の校長や教頭が、塾に出向いて話をする機会が増えているようですが、そこで入試に関する情報が得られるはずはありません。そんなことをしたら、試験の公平性が疑われます。なぜ、学校主催でなく塾主催なのか。いつから、
何故始まったのか疑問に思う面もありますが、今回のセミナーは違います。私たち現場の教師が実際に集めた情報をもとに話をしますので、受験生の皆さんにはきっと役立つ情報をお伝えできると考えています。

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