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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

こぐま会の教育について

「こぐま会」幼児教育実践研究所
室長 久野泰可
「こぐま会」では、これまで幼小一貫教育の理念にもとづいて、3才児から小学3年生までの幼児・児童を対象に、それぞれの年齢にふさわしい基礎教育のあり方を追究し、実践してきました。とくに、就学前の子どもたちを対象とした教育を「教科前基礎教育」という考え方でとらえ、その内容と方法を独自に開発し、教室での実践を通じて、検証してきました。そうした基礎教育の実践のなかで、幼稚園受験や、小学校受験といった現実的な課題にも対処し、大きな成果を上げています。

「こぐま会」の教育は三つの考え方によって支えられています。

その一つは、「教科前基礎教育」という考え方です。私たちの提唱する教科前基礎教育とは、小学校入学以降に始まる教科学習を支える考え方の基礎を、子どもたちの生活や遊びにテーマを求め、発達段階にみあった内容と方法で指導しようというものです。ですから、いまはやりの「早期教育」つまり、何でも早い方がいいという考え方とは異なり、その時期にふさわしい方法で、基礎体験を積み上げることを私たちは求めています。

「こぐま会」の教育方針のもう一つの柱は、「事物教育」の実践ということです。幼児期の教育方法の基本は、事物に対する働きかけをどこまで保証してあげられるかということに要約されます。つめ込み主義の教育の一番の誤りは、子どもたちの主体的な働きかけを最大限ひきだすのではなく、どれだけ多くの情報や知識を注入するか、ということに教育全体が集中する点です。こうして形式的な教え込みが、頻繁に行われることになります。しかし、そうした形式だけの教え込みによっては、論理的な思考力が育つはずはありません。私たちは、指導する内容にあわせ、できる限り、具体物を用いた授業を考えています。

「こぐま会」の教育方針の第三の柱は、「教室と家庭の連携」ということです。教室での指導は時間的に限界があるということもありますが、やはり幼児教育の基礎は家庭教育だと考えているからです。

子どもたちは、生活や遊びの中で多くのことを学んでいます。私たち教師の役割は、そうした日常の体験をどう意識化させ、どう体系づけるかという点にあります。教室で授業を受けただけでは、十分な力にはなりません。日常生活の中で、基礎体験を積み、また教室で学んだことを生活や遊びの中で実行することによってはじめて力となっていくものです。その意味で家庭との協力関係をどう作っていくかが、大変重要になるのです。そのために、母親セミナーや個人面談、母親のための勉強会(「母親講習会」)を実施しています。また家庭学習のための教材・教具を開発し、それを用いた「家庭学習の組織化」を図っています。

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